ケラトアカントーマの治療法を知りたい
手の甲にいぼのようなものができ、急に2センチくらいまで大きくなり、真ん中がくぼんできたので気味が悪く、皮膚科で診てもらったところ、ケラトアカントーマといわれました。主治医は皮膚がんの1種との説もあるが切除後、経過観察でいいといいます。しかし、聞いたこともない病気で、がんかもしれないというので心配です。主治医のいう治療でよいのでしょうか。
(奈良県 男性 62歳)
A 切除後、経過観察でよい
ケラトアカントーマは中高年からお年寄りに好発し、顔や手の甲などによくできます。比較的まれなできものですので、一般の方にはほとんど知られていないのではないでしょうか。外見は半球状に盛り上がり中央部がへこんでいます。急に大きくなり、患者さんが驚いて受診するため、見過ごされることは少ないと思います。
ケラトアカントーマには、自然に消退*する良性腫瘍であるという考えと、皮膚がんの1種である有棘細胞がんの1型であるという考えがあります。細胞の1つひとつは通常の有棘細胞がんと瓜二つですが、病理組織検査で全体像をみることで両者の区別が可能です。診断と治療をかねて切除し、ケラトアカントーマと診断がつけば、切除後は経過観察でかまいません。定期検診をしていれば、心配はいらないでしょう。
*消退=消えたり、ほとんど跡が残らなくなったりすること