大腸がんの再発予防に食事は有効か?

回答者:大矢 雅敏
獨協医科大学越谷病院 第1外科主任教授
発行:2012年3月
更新:2013年11月

  

2年前に大腸がんの1期と診断され、手術をし、以前とほぼ変わらない生活を送ってます。ただ、仕事柄、お酒を飲む機会が多く、再発が心配です。一応ビールをなるべく控え、大腸がんの予防効果があるといわれるポリフェノールを多く含む赤ワインに変えたりと、工夫はしていますが、これでも効果がありますか? また、日常生活において、大腸がんの再発を予防できることがありましたら是非、教えて下さい。

(三重県 男性 55歳)

A 再発予防には関係ない。定期検診をしっかり受けるべき

大腸がんの再発予防に有効な食べ物というものはわかっていないので、食事で抑えることは非常に困難です。飲酒が大腸がんの再発リスクになるという、科学的根拠もありませんのでどちらを飲んでも変わりません。

ただし、ビールを控え、赤ワインに変えることで再発がんとは別に、新たながんの発生を抑制する可能性はあるかもしれません。しかしそこにも、充分な科学的根拠はありません。

1期の大腸がんでしたら、手術を行えば、90%の人が再発しないので、食事などに意識しすぎて、ストレスを溜めこまないほうがいいと思います。また、再発予防に関しては、早期発見と早期治療を行うことが重要になりますので、必要以上に気を使うより、定期検査を受けることをお勧めします。

とくに新たに発生する大腸がんに関しては、定期的な大腸内視鏡検査で早期発見に努めましょう。具体的には、ポリープが検査で見つかっているうちは、1年に1回。ポリープが見つからないようであれば、3年に1回の検診が望ましいです。

また、大腸がんの再発は手術で完全に取り除けなかったがん細胞が原因です。しかし、普通1期の方でしたら、再発することはないので、予防的に抗がん剤を使っても効果はほとんどありません。ですから、定期検査をしっかりと受けていれば問題ないでしょう。

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