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前立腺がんの基礎知識 データでみる前立腺がん

男性がん罹患全体の約14%を占める PSA診断法の普及が早期がん発見の要因に

編集●「がんサポート」編集部
発行:2015年3月
更新:2015年5月

  

国立がん研究センターが提供しているがん情報サービスによると、わが国の前立腺がんによる死亡数は約1.2万人で、男性がん死亡全体の約5%を占めています。また、前立腺がんの罹患数(全国推計値)は約6.5万人で、男性がん罹患全体の約14%を占めています。

罹患率は65歳前後から顕著に高くなっており、年齢調整罹患率は1975年以降増加しています。
その理由の1つとして挙げられるのが、前立腺特異抗原(PSA)による診断方法の普及。早期がんでは特有の自覚症状がみられないため、受診のきっかけがないという問題点がありましたが、PSA検査によって早期のがんが発見されるようになりました。

<疫学>

◎部位別のがん罹患数

男性では、胃、肺、大腸(結腸+直腸)がんに次いで、前立腺がんは4番目に多い。

資料:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター

◎部位別のがん罹患率~年齢による変化

男性では、40歳以上で消化器系のがん(胃、大腸、肝臓)の罹患が多くを占めますが、70歳以上ではその割合は減少し、前立腺がんと肺がんの割合が増加しています。

◎5年相対生存率

がんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標。あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味します。

正確には、性別、生まれた年、および年齢の分布を同じくする日本人集団

2003年から2005年にがんと診断された人の5年相対生存率は男性55.4%、女性62.9%。男性の部位別では、前立腺、皮膚、甲状腺がんが高く、膵臓、胆のう・胆管、肺、肝臓がんなどが低い。

資料:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター

<主な検査法>

血液中の前立腺特異抗原(PSA)の測定が検査と診断に有効ですが、「直腸指診」「経直腸的超音波検査」なども行います。がんが疑われた場合には、針生検を行い、前立腺の組織を採取します。最近では、針生検の前にMRI検査を行う施設も増えてきています。

<治療法>

早期前立腺がん患者さんでは、T因子(原発巣の大きさ)、PSA値、グリソンスコアの3つを用いてリスク分類を行います。リスク分類には、「低リスク」「中リスク」「高リスク」の3種類があり、それに合わせて図のような治療法を選択します。

「治療の効果」や「副作用」、「合併症」、「治療費」、「治療にかかる期間」などの内容を十分に理解したうえで、最良の治療法を選択する

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