アロマセラピスト・長谷川記子の心を癒すアロマ教室 11

カモミール・ジャーマン

長谷川 記子 アロマセラピスト
発行:2014年9月
更新:2015年1月

  

はせがわ のりこ 薬剤師、アロマ・ハーブ・サプリメントコンサルタント(有)チェリッシュ・インターナショナル代表取締役 星薬科大学薬学部卒業。大学時代より皮膚科学や予防医学、香りの研究を始める。医療・介護分野でQOL向上のためのアロマとハーブの普及活動を行う。日本緩和医療薬学会評議員 、国際個別化医療学会評議員、日本メディカル・アロマテラピー学会員 、日本赤十字社医療センターアロマテラピー研究会専任講師、聖徳大学生涯学習講師(ハーブ&アロマテラピー)
カウンセリング受付先
eメールアドレス cherish-int@nifty.com
FAX. 047-348-2352
アベ腫瘍内科クリニック
TEL. 03-6380-8031

りんごのような甘いフルーティなカモミールの香りは、心身の疲れを癒し、肌のかゆみや炎症を和らげ、神経系、消化器系の痛みを鎮めます。

・成分:カマズレン、アズレン、ビザボロール
・作用:抗炎症、鎮静、鎮痛、健胃、強肝、通経

アロマのこころ
カモミール・ジャーマンは、とても可憐な花です。太陽に向かって、日中、花を開かせますが、夜には花弁は下に向かって閉じます。その姿は、ちょうど白いウサギが耳を垂れているかのようです。私たちががんと闘うことを考え、力を張り続けているときに、カモミールは、傍らで無言のまま「肩の力をぬいて、ゆっくりしてくださいね」と香ります。カモミールには、ほかにカモミール・ローマンもあります。

カモミールは、古代エジプト時代に「聖なる花」として、神に捧げられ「万病を癒す香り」として、用いられてきました。がん治療薬の副作用や体調不良からくるかゆみや皮膚の炎症や胃腸や肝臓機能の低下にも、精神的に張りつめた状態のリラックスにもカモミールの香りが役立ちます。

私が1998年に英国のホスピスとがん患者さんのサポート施設を訪ねたとき、患者さんたちの用いている「色がブルーのアロマクリーム」の中に「カモミール・ジャーマン」の精油が含まれていました。カモミール・ジャーマンの成分であるアズレン、カマズレンには、抗ヒスタミン、抗菌、抗掻痒の作用があります。

そのほかの成分には、荒れた皮膚や粘膜を修復したり、心を緩やかにする作用があります。天然植物の精油は、身体のみでなく、心の緊張状態を和らげることにより、万病の原因であるイライラ感、不安、怒りを鎮める力を秘めています。

肝がんで長期治療中の60代A氏には、いつも張り詰めた緊張感とかゆみがありました。カモミール・ジャーマン入りのアロマトリートメントオイルのセルフ・アロママッサージを勧めたところ、足裏のカサカサに荒れていた皮膚も柔らかくなり、かゆみも減り、心身共にリラックスされました。

アロマオイルを用いたマッサージ……かゆみを穏やかにリラックス

アレルギーに注意!……事前にパッチテストを

腕の内側の柔らかい皮膚の上にアロマオイルを数滴つけ半日~1日、様子をみて判断します

キク科の植物やブタクサにアレルギーのある人は、カモミール・ジャーマンが体に合わない場合があります。必ず事前にアレルギーがあるかどうかを確認する必要があります。

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