患者・家族に心理社会的サポートを

同じ経験をしたからこそ話せることがある!

がんサポートコミュニティー 理事長 渥美隆之
発行:2013年7月
更新:2013年10月

  

NPO法人がんサポートコミュニティー
〒105-0001
東京都港区虎ノ門3-10-4虎ノ門ガーデン214号室
TEL:03-6809-1825(月~金、9~17時)
FAX:03-6809-1826
E-mail:info@csc-japan.org
HP:http://www.csc-japan.org

コンセプトは〝アクティブな患者〟

がんサポートコミュニティーは、世界最大のがん患者支援団体Cancer Support Communityの日本支部として、『医者が癌にかかったとき』(文春文庫)の著者である竹中文良氏によって2001年5月に設立された特定非営利活動法人です。設立当初はジャパン・ウェルネスと称していましたが、2009年9月に米国本部がGilda’s Clubと合併したことを受け、2011年9月にがんサポートコミュニティーと改称しました。

私たちが掲げる“アクティブな患者”とは、「医療チームとともに回復をめざす患者は、病気に絶望して行動する人よりも、自らの回復の可能性を高める」という事実に基づくコンセプトから発しています。心理社会的サポートのノウハウをもとに、がん患者さんと家族に対し看護師や社会福祉士、臨床心理士といった専門家による心のケアを提供しています。登録者数は延べ1720人で、全てのがん種を対象にしています。

集い語り合う「独りではない」と感じる

部位別・状況別に開かれるサポートグループ

私たちは患者さんと家族がいつでも訪ねていただけるように、月曜日から土曜日まで専門家によるサポートプログラムを提供しています。

主たるプログラムは、サポートグループと呼ばれる一種のグループ療法です。サポートグループには同じ気持ちを持つ患者さん6~8人が参加し、看護師や社会福祉士、臨床心理士といった専門家がファシリテーターとしてグループの司会進行役を務めます。

そこで患者さんは自分の病気や悩み、考え方を自由に話します。そうすることで自分だけが悩んでいるのではないことを知るとともに、自分の話や考え方が他人の助けにもなることを体験します。そして、苦しみを共有できる理解者が他にいることを認識することで、自分の殻から抜け出し、治療に意欲的になれるなど多くのプラス要素が引き出せると考えています。

肺・大腸・乳腺・前立腺・胃や食道・肝胆膵・腎臓や膀胱といったがんの部位別のグループ、就労者・家族・再発や転移といった状況別のグループに分かれて、毎月1~2回定期的に開催しています。

また、2009年1月からは国立がん研究センター東病院と協力し、同病院の院外施設「がん患者・家族総合支援センター」にファシリテーターを派遣して出張サポートグループも行っています。

医療相談など家族へのサポートも

腹式呼吸で深く、ゆっくりと呼吸をしているときには、リラックス時に働く副交感神経がスムーズに動き、ホルモンの分泌や免疫の働きが整い、ストレスに対する耐性も強くなるといわれています。

私たちは自律訓練法やヨガ、アロマテラピー、ミュージックテラピーなど、自然と腹式呼吸が身につくようなリラクゼーションプログラムを、専門家の指導のもと毎月1~2回定期的に開催しています。

一方で、医療情報が目まぐるしく更新され、氾濫する情報の中から自分に必要な情報を取捨選択することは極めて難しくなってきています。

しかし、がんは個別性の高い病気であり、自分に必要な情報を知り、最善の治療を受けるには、医師との信頼関係が大切になってきます。

多忙を極める主治医に、質問を投げかけられないことも多々あるかと思います。そんな患者さんと家族にとって、身近に相談できる医師の1人でありたいとの思いから、医療相談の機会を毎週1回設けています。

また、家族は患者さんと同様に深刻な感情を抱くことから“第2の患者”といわれています。家族は「患者さんのサポーター」として患者さん自身の役割を委譲されたり治療の重要な決断に関わったり、同時に患者さんと同じ思いを持つ仲間になるのです。

そこで私たちは、家族に対するサポートにも注力し、2010年から患者さんと家族にミュージカルの感動を通して“家族のきずな”をより深めて欲しいとの思いから、第一三共株式会社と劇団四季が企画したプロジェクト「家族のきずなシアター」を後援し、昨年は240人もの患者さんと家族をご招待し、家族のきずなを深める機会にしていただきました。

がんに関する意識知識の向上へ

「中外製薬presentsがん撲滅チャリティ」でのがん啓発活動(2012年12月)

がんの発症は、治療の長期化やその後の後遺症、それに伴う経済的な問題、生命の問題など、多くの心理社会的なストレスを抱えることになります。

がん患者さんを取り巻く環境は、がん対策基本法の施行によって少しずつ整ってきてはいますが、選択肢の多いがん医療の前で、さらなる苦悩が生まれている現実もあります。

私たちは患者さんや家族のみならず、広く市民に向けてがんに関する意識や知識の向上を目的とした「ペイシェント・アクティブ・フォーラム」や、時代のトピックスを学ぶ「がんを学ぶセミナー」を定期的に開催しています。

また、私たちは2011年からチャリティマラソンとしてスタートした大阪マラソンに、「がん撲滅」を掲げ寄付先団体として参画しています。

すべてのがんを意味する虹色のAll Cancer Ribbonを用い、大阪マラソンに参加する3万人のランナーに「あなたとあなたの大切な人のためにがん検診を受けましょう」と、患者さん自らが体験を語り、早期発見・早期治療の重要性を広く社会に訴えかけ、がん検診受診を呼びかける予防啓発活動を行っています。2013年度はその寄付金によって大阪でのサポートプログラムをスタートさせる予定です。

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