滋賀県の患者や家族・遺族の声を集約 行政・医療現場に届ける

がん種を乗り越え患者会がひとつに

文●菊井津多子(あけぼの滋賀代表)
発行:2013年8月
更新:2013年12月

  

滋賀県がん患者団体連絡協議会
TEL:090-6201-1725
(担当:菊井)

がん患者の声を行政や医療現場へ届けるために

滋賀県がん患者団体連絡協議会の総会にて

平成17年、私は「第1回がん患者大集会」をテレビで見ていました。尾辻秀久厚生労働大臣(当時)が、用意していた挨拶文を読まずに、会場の熱意に応え、自分の言葉で語られたシーンに感動し、「これからは医療現場にがん患者の声が届く!」と明るい未来を感じました。

その後、平成19年4月に「がん対策基本法」施行され、同年6月に「がん対策推進基本計画」が決まり、確実にがん医療が変わっていくと嬉しい予感に包まれていたとき、「滋賀県は『がん対策推進計画』策定に向けて、委員会を開催していない現況をどう思われますか?」と取材を受け、滋賀県の現状を知り愕然としました。

「生きたい! 最新で最善の医療が受けたい!」と 41歳で再発したときの思いが蘇ってきました。「県はがん患者にとって時間がどれだけ大切か分かっていない!」と他の患者会の方と県に行き、話し合いの場を持ちました。それが発端でした。

私たちは、「滋賀県内のがん患者や家族・遺族の声を行政や医療現場に届けるには、患者会が1つにまとまることが必要だ」と感じ、平成20年3月に「滋賀県がん患者団体連絡協議会」を発足させました。今年で6年目を迎えています。

現在は5団体(あけぼの滋賀/きらら会/日本オストミー協会滋賀県支部/肝臓友の会/高島がん患者・家族の会)が参加し、会員総数は約350名です。

提言・人材養成・サロン開催・体験集発行まで

■フェイススケール

主な活動内容に、

●がん治療を受けている側の意見の集約、提案・提言。2つの委員会(「がん対策推進協議会」、「がん診療連携協議会」)と、その下にあるがん対策の部会に11名が委員として参画し、がん対策を推進

●ピアサポーター養成講座を主催(平成21年~)

●「がん患者サロン」の開催(県内7カ所)

●がん体験集「こころ綴り あした天気にな~れ」の発刊

が、挙げられます。

「がん患者サロン」は月に1回、県内7カ所(6つのがん診療連携拠点病院内、1つの地元病院内)で、行政と各病院、保健所の協力の下、とくに相談支援センターと連携して開催しています。

ピアサポーター(養成講座修了生)が世話人を務め、グループカウンセリングを行っています。ピア(がんと向き合っている同じ立場)同士の精神的支え合いの場であり、また、正確な情報提供の場として位置づけられています。必要だと思われる場合は、医療的支援へと繋いでいます。

参加した前と後に気分がどれだけ変わったか、フェイススケールを使ったアンケートを行っていますが、ほとんどの方が、少し気持ちを軽くして帰られます。

また、自由記載には、「自分だけの狭い心の中だけで考えネガティブになっていた」「体験者の方々の意見を聞き救われました」「理解してもらえる人の輪の中で、気持ちが安らぎます」「皆さんの発言が自分に勇気を与えてくれた」「生かされている命をもっと大切にして生き抜こう」と、嬉しい感想を寄せてくださっています。

「ピアサポーター養成講座」は、今年第4期を開催します。県の助成金事業で、講座内容は7回の講義とがん患者サロンでの実習です。がん治療、医療現場の患者支援について学習し、カウンセリングの技法を身に付けます。現在、修了生40名の方が「がん患者サロン」で活動されています。ピアサポーターさんの支援とフォローも行っています。

がん体験集『こころ綴り あした天気にな~れ』は、県内の患者同士で悩みや苦しみを分かち合い、がんと向き合う勇気に変えてもらおうと、37人の体験をまとめ1500部発刊しました。その後、県が増刷して現在も多くの方に読まれています。

これには、体験をまとめることで心が整理できたり、家族に話せなかった思いを伝えることができる。そしてもう1つ、がん体験から得た貴重で尊い英知を、後世に繋ぐという目的もあります。

「がん患者サロン作品展」を、看護の日に滋賀医科大学医学部附属病院で「あなたらしい生き方を支えます」と題して行いました。「病気になりながらでも作品を残しておられる姿に感動しました」「精神的、肉体的にもつらいと思いますが、展示されていた作品にはどれも生きる力を感じました」と大きな反響を呼びました。

滋賀県内の患者さん・ご家族の思いを考え行動する

滋賀医科大学医学部附属病院のがん患者サロン「ゆらり」の作品展

このような活動を通じて、県内の患者・家族・遺族への支援、行政・医療機関への提言、各患者会間の情報交換と相互交流、がん予防と早期発見のための啓発活動などを行っています。

私たちはいつも個人の思いではなく、滋賀県内のがん患者さんやご家族の思いを代表しているという観点で活動しています。

がん医療が進み、がんが治る時代を望みます。たとえ治らなくても、「上質ながん治療を滋賀県で受けられた」と実感できるそんな滋賀県でありたいと願って活動を続けます。

平成25年8月24日に「滋賀県がん患者大集会」を初めて開催します。患者の声を、願いを、祈りを、希望を結集します。

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