がんと前向きに闘える場所
全てのがん患者さんに最適な治療を みんなで悩み、みんなで前へ
副代表 渋谷義久さん
〒774-0015 徳島県阿南市才見町旭越山68
TEL:0884-23-3553
携帯:090-1170-4752(渋谷)
HP:http://www.geocities.jp/rfl_awa/gf/
自分の気持ちをわかってくれる友だちを
現在、私の体は悪性リンパ腫に侵されています。病名がわかったのは56歳の誕生日を迎えた6日後のことでした。医師より病名を告げられ、初めて「死」というものが現実にあることを知りました。
しかし、死を意識した瞬間、生きている喜びを体全体で感じる思いがしました。生きていることが、こんなにも素晴らしく美しい……。それは、今までに感じたことのない不思議な感覚でした。そして、「頑張って生きよう、もっともっと頑張ろう」と、病気と闘う勇気が、体の中から泉の如く湧き出してきたのです。
自分自身でも不思議でたまりませんでした。死を想えばこそわかる限りある命。だからこそ一番大切なもの、それは「いのち」。
それでも、いざ治療が始まると抗がん薬の副作用が、どうしても病気であることを自覚させ、自分にとってとてもつらい瞬間でした。
病気を自覚すれば、死を想う。そんな葛藤の中でほんの小さな喜びを見つけ頑張る。頑張る自分に拍手を送りながら、また頑張る。
そんな自分の気持ちをもっとわかってくれる友だちがいたら、どんなに楽しいだろうか……。だからこそ、友だちが欲しい!
そんな思いから、勢井啓介さん(代表者)とともに患者会「ガンフレンド」を立ち上げました。現在の私は、告知を受けてから6年が過ぎ、再発・転移はありません。
がん患者さんに最適な治療を
ガンフレンドは5名のスタッフで運営しています。現在は主に、徳島県内在住のがん患者さんとそのご家族及び関係者が集う会です。ただ、正式な会員制はとっていません。その理由に、患者さんには気を遣わず他の患者会などにも自由に参加して頂こうという思いからです。仮に、別の会などで一緒になっても、気まずい思いもなく楽しく会話などをしています。
当会では、毎月第3日曜日の10~12時に定例会を行っています。内容は、なるべく患者さんの要望を聞き入れながら推進しています。要望には医療関係者による「後援・懇親会」の希望などが多く、ときには行政の方などと医療費などの助成について話し合いをしています。
すべてのがん患者さんに最適な治療が提供されるために、最新医療情報の提供・未承認薬の早期承認を求める活動・患者の側に立った治療の実現がなされるよう活動しています。会費は、お茶代・連絡費等として1名100円を頂いています。
各患者さんへの連絡は電話です。患者さんの体調の良いときは声に響きがあり、悪い時は声が濁っています。受話器から聞こえてくる声で、患者さんの状態がわかるのです。そのため、連絡は必ず電話で取るように心がけています。
また、会以外でのコミュニケーションの場もあります。皆の前では言えない悩みなどを電話で話したり、ときには外で会い話し合ったりしています。
皆で悩み、皆で前に進む
患者さんの中には、抗がん薬等による副作用で現場の仕事ができないため、持ち場を変更してもらい事務的な部署へ移動することができた方がいます。
しかし、同僚達から「がんになって、楽な部署に行けて良かったな」などと嫌味を言われ、職場に行きにくくなっている患者さんなどが何人かいます。
また、病気を気にする余り、会社の中でのヒソヒソ話が、「がんだからあの人もう長くないわネ」などと、自分のことを言われているような気がして自分自身を追い込んでしまい、会社を辞めてしまった人もいます。
一方で、自分自身の死を前向きにとらえ、悩んでいる「がん友」に心の底からエールを贈り、何人もの患者さんに「希望・勇気・元気」を与えている末期がん患者さんなど、当会には、本当にさまざまな患者さんが集まっています。
自分自身の悩みを素直な想いで話し、話合いのできる場所、そして、がんと前向きに闘える。当会は皆で悩み、皆で前に進む本当に素晴らしい会ではないかと思っています。
現在の悩みは、年間を通じ10名前後の患者さんが亡くなり、「がん友」の数が増えないことです。「がん患者さん」の数は少ない方が良いのですが、共に励まし合ってきたがん友が、亡くなり会えなくなるのは本当につらいことです。
過去は誰にも変えることができませんが、未来は必ず変えることができる。
1日も早く「がん撲滅を!」。この願いが、ガンフレンド最大の目的です。
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