大阪虹の会(乳がん)
乳がん体験者が支え合い、「自立した患者」としてより良い医療を作りだす

大阪虹の会代表 大西起子
発行:2012年9月
更新:2013年4月

  
大西起子さん
「大阪虹の会」代表の
大西起子さん

体験者同士が顔を合わせ、話すことで明るい気待ちに

設立20周年の記念行事としてコーラスの発表やフォーラムを開催した

舞台で歌っているのは会員さんたちと、コラボレーションしているゴスペルコーラスグループのヒューマンノートさんたち。昨年は設立20周年の記念行事としてコーラスの発表やフォーラムを開催した

虹の会は1991年に設立されました。昨年は20周年ということで記念行事を開催し、143人という多数のご参加をいただきました。当日は、ゴスペルグループのヒューマンノートさんとコラボレーションして会員参加によるコーラスを発表したり、乳腺外科医、大学の准教授、会員によるパネルディスカッションも行いました。

虹の会の特色は3つあります。

第1 他の医療機関や製薬会社等から援助を受けていないことが挙げられます。会員の会費と会員相互のボランティアで運営しています。そのため、自分たちで主体的に活動内容を決めていくことができます。

第2 色々な病院に通院している会員さんがいるということです。病院について自由に意見が言いやすく、また他の病院はどうなのかという情報が手に入りやすくなっています。

第3 会独自の事務所を持っているという点です。相談する人が電話や来訪しやすくなります。事務所は会員同士の交流の場となり、会報などを印刷する場として活動の拠点になっています。

具体的な活動内容と、皆さんのご意見をまとめてみました。

①電話や来訪による無料相談

事務所のこのコーナーは電話を受ける場所

事務所のこのコーナーは電話を受ける場所。相談は会員以外の方も、何度でも受けている

毎月第1・3土曜日。第2・4水曜日に、会員以外の方の(ご家族やお友達からも)相談も受けています。

当然、初めて相談される方は不安な気持ちが大きいようです。それが話しているうちに気持ちが落ち着いてきて、最後は「電話して(事務所に来て)良かったです」と言っていただけることが多いです。

相談に関しては、まずお話をじっくり聞かせていただくことを大切にしています。誰にも話せなかったことを話してしまうと、それだけで気持ちはずいぶん軽くなると思います。こちらから具体的な経験をお話しすることもあります。例えば、体験者の人から「抗がん剤で髪が抜けてもまた絶対に生えるから大丈夫」と言われると、脱毛について本で読むよりもずっと気持ちが落ち着くようです。

同じく体験者の人から「ホルモン剤の副作用は人によりさまざまですが、ひどい人は途中で休薬することもありますね」と聞くと、こんな思いをしているのは自分だけではないんだと実感が湧くようです。

都合のつく会員が当番として、活動に参加しています。皆さん体験者ですから、自分が経験したことを、具体的にお話することができるのです。何人もの体験者の話を聞くだけでも参考になることはあるようです。

必要な方は、いつでも何回でも気軽に来ていただきたいと思います。

②例会

今年は、5月と9月に事務所近くのゆうゆうホールで行います。

初参加の方の話を中心に、今困っていること、聞きたいことを、自由に話し合っています。内容は毎回違いますが、”再発への不安””化学療法による副作用”そして、多いのが”医療者への疑問”で、これは誰もが抱える永遠のテーマのようです。

③会報『かがやき』

今年は年4回発行。会の運営上の報告、イベント案内だけでなく、役立つ豆知識や新薬の情報など会員の皆さんに喜ばれています。

会員さんからの体験談も好評です。例えば、昨年度は「ノルバデックスと私」「ゲルソン療法」「手術~私の場合」などを掲載しました。例会やイベントに参加できない会員さんも多く、会報が届くことで繋がりを感じて下さるようです。

④「ゆんたく」

会員限定。再発・転移者のみの語りの場。毎月第4土曜日に事務所で行っています。ここだから話せる。そんな場所がある。それがとても大切だと思います。「ゆんたく」は多くの会員にとって心の拠り所となっています。長年、「ゆんたく」をお世話いただいている会員の方がいればこその活動です。

⑤会員同士の交流会

4月に行ったハイキングでの1枚

4月に行ったハイキングでの1枚

年4回偶数月の日曜日に事務所でのおしゃべり会。お楽しみ会(夏のお食事会・冬の忘年会)。春と秋の日帰りハイキング。年1回の1泊旅行。

なにせ大阪を拠点とした関西人の多い会です。旅行の宴会はいつもみんな歌って、踊ってと盛り上がります。初参加の方からは「本当に、患者会?」と言われます!!

事務所に来訪された方から「インターネットで乳がんのことを調べていると、ついつい暗い気分になる。ここに来て顔をあわせて体験者の人と話すことができて、気持ちが明るくなった」と伝えられました。

インターネットや本で情報を得るのは確かに大切なことです。ただ、そのときの気分で暗い情報だけを拾い上げてしまうことがありがちです。ますます、落ち込んでしまいますね。そんなとき、事務所に来て元気に活動している様子を直接ご覧になることで安心されるようです。

これからも、乳がん体験者の人たちの支えになれるように、みんなで活動していきたいと思います。


虹の会

〒530-0044 大阪市北区東天満2-2-15 第六新興ビル405
TEL/FAX: 06-6353-2510 (第1,3土曜、第2,4水曜11:00~16:00)
ホームページ : http://www5e.biglobe.ne.jp/~niji-kai/
Eメール: nijinokai_osaka@yahoo.co.jp


同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!