金つなぎの会(全国)
「きっと良くなる 必ず良くなる」を合言葉に
金つなぎの会・代表の
広野光子さん
「自助努力・身の丈サイズ」のがん・難病患者会を設立
金つなぎ5つの理念 - 同病相楽しむ
- がんを恐れず侮らず
- 天は自ら助くる者を助く
- 信ずる者は救われる
- 死ぬも生きるも天命のまま
1995年4月27日、JR大阪駅コンコースで、24人の新聞コラムの読者・病友が集まり、それぞれの体験を話し合い、悔しさと悲しさを共有しました。17年前、今ほど患者会も多くない時代で、心に溜めたつらく悲しいがん体験を各自が思いきり吐き出し、どんなに大変な人生の重荷も、皆で分け合い支え合えば、グンと軽くなることを実感したのでした。
会は抗がん闘病記「金つなぎの茶碗」(94年10月~97年6月まで産経新聞に連載=筆者:広野光子)の読者を中心に、この日に結成。会員はがん患者のほか家族、遺族、医療関係者などで構成され、国内外に1623人を数えるまでに育ちました。
当初から明文化された【病者の哲学(5つの理念)】を掲げて、「自助努力・身の丈サイズ」の患者会活動を続け、近代医学や東洋医学、代替療法などに取り組むことで、がん(難病・大病なども含む)を乗り越え、自分らしく納得できる予後を生ききる、「明るく強く前向き」な患者会です。
会の名前は、古来ヒビの入った骨董茶碗を金で継いだという【金継ぎ茶碗】に由来し、乳がん(1期)と卵巣がん(3期、5カ所転移)で、胸と腹部に大きな傷(ヒビ)を負った私が、自らをそれになぞらえた造語です。そのままを自称するのはおこがましいので、闘病を支えて命を繋いでくださったヒト・モノ・コトを【金】に見立て、金つなぎの茶碗を自称したのですが、読者が「私も!」、「私も……」と名乗りを上げてくださるようになり、やがて「金つなぎ」は、闘うがん(ほか難病・大病)会員の別称となりました。
会設立と同時に「5つの理念」と「5つのモットー」を決め、会旗や理念旗を作りました。
「居住地のほか、年齢や性別、気力、体力、生活環境、がんのタイプ、そして固有の遺伝子も、それぞれに違うがん患者に一様の治療法があるはずがない」と考え、そんな病友がたを1つにまとめるためには、機関紙「季刊・金つなぎ」発行とホームページ制作が不可欠でした。
また、抗がん治療ののち「要経過観察」と診断され、近代医学から手を放された私たちには、予後をいかに生きるか、いかに死ぬか、という、健常なときには思いもしなかった【死生観】のかん養が、避けて通れないテーマとして立ちはだかっていますが、理念やモットーを信じ、恐れることなく死を語り合っています。
がんはおおむね加齢などを含めた「遺伝の因子」、病原体や有害物質、ストレスなどによる「外部環境の因子」、そして食習慣や運動習慣といった「生活習慣の因子」に分けられ、なかでも日常の生活習慣が大きな発症要因といわれます。それならば、再発・転移の不安に苛まれる予後の身を、「非日常の場(空間と体験)」に移して心身のバランスを保っていけば、病者の治癒力・免疫力を上げ、転移・再発を避けられるのではないか? この命題の実践を「非日常療法」と名付け、国内外への旅、クリスマスパーティやライブの催行、気功練成会、勉強会、食事会の開催など、多彩な実践結果を積み重ねてきました。その結果「余命半年」や「月単位」などの告知を受けた病友がたが、その後7年、17年、20年……、と余命を延ばしておられます。
この体験を役立てたいと考えていたところ、07年から、「名張市がん・難病相談」(担当:広野光子)がスタート。11年からはNTT西日本大阪病院内で、「患者による患者のためのがん・なんでも相談」(命名:今岡真義同病院院長、大阪府立成人病センター名誉総長)も始まりました(担当:広野光子と金つなぎの会有志)。
名張市民やNTT病院の患者さんのみならず、関西全域の広範な病友がたからの来所相談を、まずは傾聴し、その後ネット検索による情報収集と、病友ならではの豊富な体験情報からのアドバイスを参考に、相談者自身で答えを見つけて納得していただくボランティア活動を続けています。
金つなぎの会は、支え合う患者会、そして闘う患者会です。「希望を持つ、楽しむ、わくわくする」など、精神面の昂揚が免疫力を上げることは、すでに近代医学の分野でも認知されているのですから、「きっと良くなる、必ず良くなる! ご一緒に……」を合言葉に、会員一同これからも負けない闘いを続けていくよう申し合わせています。
がんを明るく前向きに語る・金つなぎの会
代表・広野光子
〒518-0414 名張市富貴ヶ丘1-135
TEL&FAX: 0595-63-7674
Eメール: Kitto-12@e-net.or.jp
ホームページ : http://www.e-net.or.jp/user/yokunaru/
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