ぎふホスピスケアをすすめる会(岐阜)
岐阜のホスピスで、穏やかに生き抜いてほしい

ぎふホスピスケアをすすめる会 代表 高木和子
発行:2012年6月
更新:2013年4月

  
高木和子さん
代表の
高木和子さん

私たちにしかできないことを私たちの力で

前列左から高木和子さん、神山純子さん、神山佳奈絵さん

前列左から高木和子さん、神山純子さん、神山佳奈絵さん

 

在宅ガイドブック『命の限りを知った時』の内容
第1章 在宅ホスピスを始めるために
第2章 在宅ホスピスケア体験談
第3章 在宅ケアを支える様々なサービス
訪問看護ステーションやヘルパーの働き、介護用品の購入とレンタル、在宅ケアの費用、給食サービス、家事援助民間団体など
第4章 在宅ケア情報
医師と訪問看護ステーションの紹介、ヘルパー派遣業者の紹介、地域ごとの地図など

 
終末期をホスピスで過ごしたときの神山純子さん

終末期をホスピスで過ごしたときの神山純子さん

1994年2月、神山純子さんの「岐阜の地にホスピスを!」という願いの下、医療には全く縁のなかった市民およそ80人によって会は発足しました。

当時ホスピスは、全国に10カ所ほどしかありませんでした。神山さんは、自身の父親が治療効果のない抗がん剤による苦しみから解放され、ホスピスで穏やかな最期を過ごすことができたことへの感謝から、会発足の必要性を感じたといいます。

やがて誰もが必ず迎える「死」という問題を、自らの生き方を考えるのと同じようにもっと主体的に考えるべきである。自宅で最期をと希望する方も病院で最期を迎える方も、1人の人間として身体的な治療だけでなく、全人的なケアを行ってほしい。

最後の瞬間まで心安らかに、人間としての尊厳を持ちながら価値のある人生を生き抜きたい。増え続けているがん患者にとって、そのつらい治療から逃れ、自分らしく生きるための場所が必要と考えました。

その運動は、がん患者、家族、遺族にとどまらず、広く一般の市民へ広がっていきます。そして、1999年6月、4万5000人の署名を岐阜県へ提出し、岐阜で最初のホスピス(現在の岐阜中央病院緩和ケア病棟28床)が建てられました。

会を設立してから5年後に、念願のホスピス病棟ができました。その後は、病院ボランティア育成のための講座の開催や、ボランティアサポートなどホスピスの充実のお手伝いに努めています。

また、医療者と患者の壁を取り外し、医療者と共に手を取り合い理解を深めること、同じ目線で向き合えることを願い、活動してきました。

2000年には がんでも家で過ごしたい人の岐阜県在宅ケアガイドブック『命の限りを知った時』(120頁)を発行しました。

しかし、2003年1月、代表の神山さんをがんで亡くすという、私たちにとって深い悲しみが襲いました。神山さんは、がん患者となった後も精力的に活動を続けておりました。手術、厳しい化学療法を受け、自らその終末をホスピスで過ごされたのです。

彼女の亡き後、患者会存続の危機を迎えましたが、神山さんの長女の佳奈絵さんが会を守りました。そして、2006年4月には私、高木和子が代表に就任し、現在に至っています。

岐阜県内のホスピスは、昨年末1病院増え、間もなく飛騨高山にも開設されるのを加えると4カ所となります。

今現在、会員数は190名です。会の運営は会費(一般3000円、学生1000円)でまかなわれています。参加者は、患者、家族、遺族、医師、看護師、ソーシャルワーカー、福祉関係者などさまざまです。

会の活動としては月に1度、代表と数名の世話人が事務局に集まり、話し合いの場を設けています。活動の内容は次の通りです。

セミナー(年2回)、学習会(年2~3回)、会報発送「Hope Hospice」(年4回)、ホームページの開設、グリーフケア「悲嘆の分かち合い」の開催(毎月第4日曜日)、電話やメールによるがん相談、ボランティアグループ「そよ風」の活動など。

私たちは、年間のテーマを決め、計画を立てそれに沿って会の活動をすすめています。また他の患者団体(飛騨緩和ケア研究会ひだまりや、あいちホスピス研究会など)との連携をとり、患者や一般市民の立場に立った活動を大切にしています。

岐阜県にできるだけ多くのホスピス病棟が設立されること、すべての医療機関あるいは在宅でも、私たちが温かいホスピスケアを受けられる地域づくりを目指して、地道に活動を続けていきたいと願っています。

新会員さんの声

大学の科目で、死生学について学びました。そこで尊厳死やホスピスの考え方について学び、共感し、ボランティアとしてホスピスで働きたいと思いました。
ホスピスはこれからの医療、社会、そして人間が最期まで人間らしく自分らしく生きるために、必要な施設だと思います。これから大学で学びながら、人間の最期の生である死について、考え、学び、貢献できたらと思いました。

保健師として働く以前は、病院の一般病棟で働いていました。そのとき、一般病棟でできる緩和ケア・終末期ケアについてとても悩みながら働いていたことを、最近になってまた思い出しました。また、父が亡くなるとき、直前まで在宅でみていたのですが、当時は在宅緩和ケアが今ほどされておらず、常に自分に何ができるのか? という思いがありました。病棟勤務時代や、父が亡くなってから年月がたっていますが、また勉強したいと思っています。よろしくお願いします。


ぎふホスピスケアをすすめる会

代表・高木和子
〒500-8882 岐阜市西野町5-27
TEL: 058-267-5167  FAX: 058-391-1783
ホームページ : http://www.wa.commufa.jp/~hospice/
Eメール: hope-hospice@sf.commufa.jp


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