日本骨髄腫患者の会(骨髄腫/全国)
患者さんを勇気づけ、骨髄腫が治る病気になる日を目指して
セミナーであいさつする副代表の
上甲恭子さん
「自分はひとりではない」という創設者の理念が深く息づいた患者会
多発性骨髄腫は、人口10万人に約3人が毎年発症し、日本全国に1万3000人~4000人の患者さんがいると推計されています。日本骨髄腫患者の会(以下患者の会)は、日本全国の骨髄腫の患者さんとそのご家族の闘病の道が、平たんであるよう活動を行っています。
患者の会は、国際骨髄腫財団(International Myeloma Foundation 以下IMF)の日本支部として、1997年10月に活動を開始しました。
患者の会の創設者の堀之内朗氏は、自家末梢血幹細胞移植からの再発時に、アメリカIMFのメーリングリストに登録し、再発の無念を投稿したところ、「1度の再発でくよくよするな。僕なんか3回移植を受け、3回再発している」というものだったとのこと。
堀之内氏はこのとき、自分より厳しい状況にありながら頑張っている同じ病気の患者さんの存在を知り、「自分はひとりではない」と強く勇気づけられ、日本にも骨髄腫の患者会を作ろうと決心しました。
堀之内氏は残念ながら、2000年に亡くなりましたが、その創設の理念は現在もそのまま受け継がれています。
2012年3月現在、患者の会に登録されている骨髄腫の患者さんやご家族は4500名です。患者の会の運営は6名の役員によって行っています。
患者の会は、代表の堀之内みどり(故堀之内朗氏の妻)宅の一室を間借りして事務所としています。大阪から副代表が毎週上京し、患者の会の活動全般をコントロールしています。
その他の役員は、闘病や本業をこなしながら、また家族との時間を二の次にすることもありながら、毎日毎日休むことなくメールや電話で連絡をとりあい、また定期的にミーティングをし、多方面からのリクエストに応えるために活動しています。そして、多くのボランティアの方の手に患者の会の活動は支えられています。
力をいれているひとつが、正しい情報の提供です。患者の会には、定期発行をしている多発性骨髄腫情報誌「がんばりまっしょい」があります。年間、定期号2回、臨時号を1~2回、毎号15000冊発行し患者さんやそのご家族を中心に医療従事者、製薬企業等へ無料配布しています。
「がんばりまっしょい」には、病気や治療薬のことだけでなく、病気と共に生きるために必要な情報や、読者と患者の会との心のつながりを伝えるための記事など多岐にわたります。
情報提供の一環として、患者の会は「地方ブロック会」と呼ぶ各地での小さなセミナーを開いています。正しく病気や治療の知識を得られるだけでなく、仲間と出会い力を得ていただくことが目的のひとつです。
順次各地を回っています。詳細は、患者の会のホームページか「がんばりまっしょい」をご覧ください。
患者の会は、2002年から「多発性骨髄腫研究助成」事業を行っています。骨髄腫の治癒が実現するためには、この病気や治療法の解明が欠かせません。
研究の初期段階やグループによる研究では研究費が容易に得られないこともあります。私たちが研究助成金を交付することで研究が1歩でも進むなら、これほど嬉しいことはなく、骨髄腫の治癒へ向けて自分たちの手で後押しできます。
最近でこそ、患者会による研究費の助成が他の疾患でもあるようですが、10年前から、そして骨髄腫のように患者数がさほど多くない疾患でこのような事業を続けられることは稀で、これも患者の会に寄付金を寄せてくださる患者さんやご家族のおかげと感謝しています。
もうひとつ、患者の会の特色は日本骨髄腫学会との繋がりです。骨髄腫の治療や研究に熱心に取り組まれている医師が所属する日本骨髄腫学会に大きなバックアップをいただいています。
また、日本中で骨髄腫の治療に熱心な医師の方々に、患者の会の顧問医師となっていただきました。
そして日本中どこであっても専門医のアドバイスを受けられるようセカンドオピニオンの受け入れや、各地でのブロック会やセミナーの講師、情報誌「がんばりまっしょい」へ原稿の執筆を快く引き受けていただいています。
このような医療者の応援が患者の会を大きく支えてくれています。多くの方に支えられながら、私たちはここにいます。骨髄腫が治る病気になるまで、私たちは希望をもって活動を続けます。
日本骨髄腫患者の会
〒184-0011 東京都小金井市東町4-37-11
TEL&FAX: 042-381-0279 (電話は平日10時~16時)
Eメール: owner-imfjapan@myeloma.gr.jp
ホームページ : http://www.myeloma.gr.jp/
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