香川がん患者おしゃべり会(香川)
医療者と患者の関係を超え、心の絆を深め、癒やされるときを一緒に送ろう

香川がん患者おしゃべり会 代表 二島多恵
発行:2012年3月
更新:2013年4月

  
二島多恵さん
香川がん患者おしゃべり会代表の
二島多恵さん

元気に活動できるように、まずはじっくり話を聞いてあげる

香川がん患者おしゃべり会を立ち上げ、5年になります。会を始めたきっかけは、私自身と親友のご家族の発病でした。6年前、のどに小さなしこりができたのです。何の症状もなく痛みもないものでしたが、悪性リンパ腫と診断され、甲状腺を摘出し、その後抗がん剤治療を受けました。

「もしかしたら死ぬかもしれない。41歳で死ぬなんて絶対にいやだ!どうして私がこんな病気になったのだろう?しかし、なってしまった以上、現実を受け入れるしかない。病気になんて絶対負けない!絶対に克服してやる!頑張ろう!頑張ろう!」

ただそれだけでした。入院中は抗がん剤の副作用で髪の毛が全部抜けましたが、あまり気にならず、退院後のことをたくさんイメージしていました。しかし、不安からはどうしても逃げられませんでした。「病気が再発するかもしれない」という不安を、ずっと抱きつづけていたのも事実です。

私の治療が終わったころ、親友のご主人が私と同じ病気になりました。脳悪性リンパ腫を発病したのです。ご主人は、最初の病院では余命を告げられ、「残りの時間をご家族で過ごしてください」と医師に治療を放棄されました。しかし、ご主人は今の主治医と出会い、家族、主治医と一緒にがんと闘いました。適切な治療により命を救われ、抗がん剤や放射線治療を経て、今では仕事へも復帰しています。

親友には子供が3人いて、加えて、ご主人は会社を経営しておられたので、ご主人の闘病の間、彼女にのしかかる重圧はとてつもなく大きいものでした。そんな彼女を救いだしたのが、東京大学医科学研究所に所属(当時)していた田中祐次先生との出会いだったのです。募る不安を抑えきれず、田中先生に長い文章のメールをしたところ、翌日に返信があったのです。

「奥様、大変でしたね。本当によく今まで頑張ってきましたね。少しゆっくりしましよう。奥様の心の苦しみを一緒に1つずつ除いていきましよう」。彼女は、この言葉にどれだけ助けられたことでしょう。つらいときや行き詰まったとき、不安なときに彼女は田中先生に必ずメールをしていたそうです。メールの内容は、ごくごく普通の会話に近いものでした。「田中先生と出会っていなかったら、私自身どうなっていたか」、彼女は今でもそう語っています。

がんにおいて、不安なことは病気の再発です。何に気をつけて生活をすればいいのか。再発率はどうなのか。そして、がんを克服した沢山の方の経験や意見を聞いてみたいと思うようになりました。病気や治療、再発について親友と話しているうちに、同じような病気にかかっている人、治療を受けている人が、私たちと同様につらく苦しい思いをしているのではないのか。そんな人たちに、私たちの経験や思いを伝えられるのではないかと考えるようになりました。

高松市長参加の際の、おしゃべり会

高松市長参加の際の、おしゃべり会。この会が話題になり、認知度も向上し、市民病院などでおしゃべり会ができることになった

 
香川大学医学部付属病院のがん患者相談室にて

香川大学医学部付属病院のがん患者相談室にて

そこで、患者さんの複雑な思いや治療への不安などが相談できる会を作れないかと香川大学医学部付属病院に相談したところ、快く承諾してくださりました。そして、がん患者会が開かれることになったのです。

香川がん患者おしゃべり会は、私や親友のご主人の病気を通じ、感じた戸惑いや不安、疑問を解決できないだろうか、少しでも不安を良い方向にもっていき、納得のいく治療を行いたいという思いで立ち上げた会です。看護師や勤務医、開業医など多くの医療従事者の方々にサポートしていただき、成立している会でもあります。できることは全てボランティアで行っております。現在、自治会のボランティアも増え地域での活動も多くなってきました。

現在は各地の医療機関で、毎月1回おしゃべり会を開いています。患者さんとそのご家族、そして病気について学びたい方たちが参加しています。関係者のご協力には、本当に、頭の下がる思いで一杯です。いろいろな質問にも答えていただいております。参加される方はその日だけの方や、何度もご参加いただいている方とさまざまですが、およそ2時間皆で机を囲み、お茶を飲みながら思い思いの話をしています。

主治医とのコミュニケーションの取り方への不安、手術や抗がん剤治療への不安、医療費への不安、治療中・治療後の生活の不安、死んでしまうかもしれないという不安。たくさんの不安を、家族、友人、職場へどう話せばよいのか。そして、今後職場復帰することはできるのか。がんという病気において、色々な悩みを誰にも言えず、抱え込んでいる方もいらっしゃいます。

このような状況に置かれれば、「なぜ私がこんな目にあうのか」とやり場のない怒りを感じることもあるでしょう。多くの方がこういったストレスに直面しているのです。そのような方の話をじっくりと聞き、相手を思いやる。同じ病気の方や、そのご家族の方が話しを聞いてくれたり、自分の悩みに耳を傾けてくれたりすることは大きな支えになります。また、専門的知識がある医療従事者の方々の助言や励ましも、大きな力となります。

おしゃべり会は、不安やストレスから少しでも開放され、病気に立ち向かう元気をださせてくれる。そんな会でありたいと願い、開催しています。本当に小さな会ではありますが、少しでもお役に立てるようスタッフ一同協力しながら、頑張っておしゃべり会を開催していきたいと思います。


香川がん患者おしゃべり会

〒760-0080 香川県高松市木太町1145-1
TEL: 080-4033-5707 FAX: 087-833-1410
Eメール: k-kanjyakai@mb.pikara.ne.jp
ホームページ : http://wwwa.pikara.ne.jp/k-osyaberikai/


同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート10月 掲載記事更新!