いきいき和歌山がんサポート(がん全般/和歌山)
がんでも元気にいきいきと過ごせる和歌山を目指して
いきいき和歌山
がんサポート代表の
谷野裕一さん
患者・医師・議員・技術者が集まった地元密着がんネットワーク
和歌山の患者、医療者、議員、市民が集まってNPOを立ち上げました。名前は「いきいき和歌山がんサポート」。がんになってもいきいき生活できるように、医療を、社会を変えていこう、がんを取り巻く環境のいろんな問題を解決していこうという意味を込めてこの名前にしました。
和歌山の患者活動には、長く活動を続けていらっしゃる和歌山血液疾患患者家族の会「ひこばえ」、乳がんカウンセリング和歌山、日本オストミー協会和歌山支部などがあります。最近は乳がん患者会が病院ごとに生まれつつあります。
しかし風土でしょうか……。和歌山県の2007年のがん死亡率は全国ワースト3位なのに市民はがんにはあまり関心なさそうです。こんなことでは和歌山のがん医療はどうなるのでしょう?
島根県でがん患者サロンを開催している人たちが、2008年の12月に和歌山県主催のセミナーでお話しをしてくださいました。公立那賀病院では、このセミナーで感激した病院職員が中心となって、翌年1月から患者サロンを始めました。
サロンにはさまざまな患者さんや家族が来られて、患者・家族で話をし、元気になって帰られます。サロンが盛況になり、手応えを感じたメンバーは他の病院でもやって欲しいと思い始めました。
そのころ私の周りには多種多様な人たちからなるネットワークができつつありました。みんなで取り組めば、がんについていろんな角度からアプローチできる素晴らしい活動ができます。和歌山県がん対策推進委員の患者さん、自らもがん患者である和歌山市医師会長、乳がん患者会の会長、那賀病院のサロンの世話係の人たち、県議会議員、IT技術者が一緒になりNPO活動を始めました。
がん患者・家族のサポートが、がん対策推進計画の重点課題としてあげられています。
しかし、実際に患者さんや家族はどんなサポートを必要としているのでしょうか? 医療者が会議を開くだけでは実際の患者さんが抱える問題を解決できません。まず、問題がどこにあるのかを聞く機会を作ろうということで、講演会+ディスカッションの会を開催しました。
講演には、新聞記者であり、乳がん体験者で、がん関連の活動もたくさんなさっている本田麻由美さんに来ていただきました。本田さんは現在、「厚労省がん対策推進協議会委員」「文科省がんプロフェッショナル養成プラン外部評価委員会委員」としても活躍されています。
講演では、自らの体験と患者の心理、国のがん対策の動向や各地のタウンミーティングの話をしてくださいました。講演後のパネルディスカッションでは、会場からもいろんな意見が出ました。
●患者会・サロン・患者会のネットワークを作ってほしい。
●がん患者でない人も、より良い医療のあり方を考えるような市民の意識アップ。
●腫瘍内科医、放射線治療医を基幹病院に配置してほしい。
●がんになってもその後の人生をその人らしく生きられるようにがん対策相談支援センターを活用、相談員の育成も大切。
●心のケア(患者は孤独)をしてほしい。
●がん検診の充実、早期発見が最善の対策。
講演会で伺ったさまざまな問題に対応できるようなNPOにしようと、事業は以下の3つにしました。
それは患者・家族のサポート、がん診療向上、がん検診です。とくに患者サロン、専門医を育成する診療科の創設、在宅診療について重点的に活動していこうと考えています。6月1日にはNPOの法人申請をしました。
2010年8月28日には第2回の講演会を予定しています。国立がん研究センター名誉総長の垣添忠生先生の『妻を看取る日』を読まれた方も多いと思います。自らが患者であり、家族であり、日本のがん政策の中心人物である垣添先生に来ていただき、和歌山のがん政策をどうしていけばいいのかを討論するディスカッションができることを願っています。
また、小さな勉強会を考えています。がんになる前から準備が必要ながん保険のこと、和歌山県でも策定されているがん対策推進計画の勉強会、メンバーである和歌山市医師会長の田中先生によるがん体験医師の講演、がんになったときの給付金の申請についてなどなど、実際に役立つ情報をみんなで勉強する場を設けていきます。
和歌山だから仕方がない。がんだからしょうがない。そんなことを言わなくても元気にいきいきと生きられるような和歌山づくりを目指して息長く活動を続けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
いきいき和歌山がんサポート
〒640-8251 和歌山市南中間町72番地
お問い合わせ先:080-3825-2699
Eメール
ホームページ
患者サロン
日時 毎月第4土曜日14:00~16:00(8月はお休み)
会場 和歌山ビッグ愛9階
対象 すべてのがん患者さんとご家族
参加費 無料
同じカテゴリーの最新記事
- 新しくWell-beingをテーマに 4つの活動を柱に日本骨髄腫患者の会の輪を広げたい
- 患者会E-BeC「第10回 乳房再建全国キャラバン」を広島で開催
- 「小児脳幹部グリオーマ」患者会 厚生労働大臣に直接陳情
- 「医師と患者で、一緒に考えよう」をテーマに BCネットワークが第6回乳がんタウンホールミーティングを開催
- 乳がん体験者ががん患者を支える 患者の悩み、必要なサポートとは?
- リンパ浮腫について知ろう、語ろう、「リンパカフェ」
- 「乳房再建手術がわかる」 セミナーを開催
- BCネットワークでは初めて、患者さんの経験談をメインに開催
- 患者さんや家族の気持ちが、少しでも楽になるように「まる」と名付ける
- 「小児脳幹部グリオーマ」に関する要望書を厚生労働大臣宛に提出