灘・GMC(がんまんくらぶ)(がん全般/全国)
我らガンマン・クラブ――Gun Man Club“GMC”
「がんと共生しつつ、元気にこれからの人生を送る」同窓の誓い
この「GMC」は2001年に発足して8年が過ぎた。
がんの宣告を受け、治療中であることが会員資格。がん発病の経緯、現状や対応、医師・病院などの情報を交換・ファイルして、会員相互の前向きな生活の参考や、新規会員への各種情報の提供などを意図した、親睦・勝手クラブである。
その名前の由来は、「がん(Cancer)を銃(Gun=ガン)で撃ち殺す仲間(Man)の集まり(Club)」。
元々は、高校同窓・同期(神戸・灘校。昭和28年卒)の仲間で発足し、順次その家族・友人へと門戸を開いている。メンバーの大半が古希を過ぎた今、「逝く人、来る人」の往来が少々激しくなって来て、ここ半年で4人が逝き、2人が入会、予備軍もかなりいるとの情報である。
私自身は、築地の「国立がん研究センター」に、2つのがんの定期検査(尿・血液検査)に通っている。5年前の前立腺がん手術のフォロー・アップと多発性骨髄腫の疑いがある。私自身、「病持ち」として、それへどう対処するか、どう付き合うかなどを、これまで3度の長期入院・病床にあって考えてきた。
「がんになったら……。GMC魂・その生活信条みたいなもの」を、若干のエピソードを交えて、紹介させていただく。
「病いと共生しつつ前向きに考え、少しでも長生きしよう、気を入れて・元気にこれからの人生を送ろう」
それがGMCのモットーである。
2003年、アメリカGMCメンバーの1人から、お誘いがあった。彼は、退職を機会にハリウッドで大好物の「日本のすし」の店を開店した。そのすし屋が「潰れない前に来ないか? 自分が死ぬ前に」という。「それじゃ日本からの『冥土の土産旅行』にしよう」と、計画した。
友人との再会、メキシコまで足を伸ばすなど、文字通りの「冥土の土産」にできるツアーであったが、そのすし屋の友人と、一緒に行った友人の2人が、2005年に相次いで冥土へ旅立ち、代わりにその旅で50年ぶりに再会したロス在住の友人が、正式GMC入りした。その後全員で集まり、泊り込みで「Dinner&Golf…二人を偲ぶ会」を、旅のビデオを見ながら、盛大に行った。
私が、知人からの情報で入院した兵庫県立粒子線医療センターで、隣りのベッドにいた著名な医師に「我らガンマン・クラブ」のエッセイをお見せしたら感激され、「自分も灘校出身。灘校OBにも、がんと共生し、こんなに前向きで明るい考えのグループがあるとは。是非電話ででも話をしたい」といわれ、番号を伝えられた。その後著書20冊や「がん患者支援団体機構」、「第1回がん患者大集会」のパンフレットなどが郵送されてきた。その医師の名前は「三浦捷一博士」。
「第1回患者大集会」のリーダーで、またがん特集TV番組にも出演されている。その著書『がん戦記…末期癌になった医師からの遺言』はGMCメンバーに配った。
その博士が、薬石効なく亡くなられた。電話で話もできず、これらの書籍などは、今や博士の遺書みたいになってしまった。
壮絶ながん治療の途中でも、一身を顧みず命を賭けた「政・官・学・薬・医」の業界・がん医療の陳腐な現状を、医師として内部告発し、患者の団結を叫ばれ、思い半ばで亡くなられた無念さには、心を打たれた。
いつか「GMCコンペ」をするのが楽しみ
灘校OBに、かかる高邁な精神と無私の行動力を持った方がおられることを誇りに思うと共に、その意志の幾許かでも受け継ぐべく、GMCとしてがん患者支援団体機構に入会し、「第2回患者大集会」の共催団体となり、5人のGMCメンバーが出席した。
先日、GMCメンバーを含む23名で「ミニ同窓会」をした。
会員はだいぶん増えたが、減っても来たな。元気な内に、何かおもろいことやらへんか。ゴルフで「胃と前立腺」の対抗戦などどうや? 今「胃」は3人、「前立腺」は5人やから、一寸バランス悪いな。「大腸」が2人おるで。これ「胃」の続きやから、「胃」組に入れたら良いんちゃうか――。
次の日は淡路で、GMCの会員、非会員ともに30名のゴルフ大会となった。
よくやったぞ。脱落者は1人も出ずだし、まともな奴と対等に、ハンデイキャツプなしだもんな――。
今度はGMCだけで、「胃」だ「前立腺」だと言いつつ、GMCコンペするのが、これからの楽しみである。
灘・GMC(がんまんくらぶ)
〒227-0046 神奈川県横浜市青葉区たちばな台2-2-17
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