患者会「コスモス」(がん全般/神奈川)
患者同士で手をつなごう

患者会「コスモス」世話人・萩原淑子
発行:2008年12月
更新:2013年4月

  

患者同士の支え合いの場として「コスモス」を継続させていきたい

写真:世話人たちによるミーティング
世話人たちによるミーティング

患者会「コスモス」は毎月1回、神奈川県立がんセンターの1室で開かれています。がんセンターが1室を提供してくださることで10年ほど前には、わずか数人で始めた患者会も今では常時20名余りの会となりました。

会の趣旨は、がん患者と家族が集い、ともに語り、闘病のつらさやこれからの不安などを語ることで前向きに歩き出すきっかけになれば、というものです。

私たちがん患者に、再発や転移などの不安はつきものです。

体のちょっとした変化や検査結果に一喜一憂します。周囲への気遣いからそれを口に出せない方もいます。また身近にその不安を訴えても理解してくれないと感じている方もいます。私たちがん患者は孤独を抱えがちです。

写真:コスモス主催「噺家さんを囲んで」
コスモス主催「噺家さんを囲んで」
写真:「磯散策」の下調べをする世話人
「磯散策」の下調べをする世話人

私が始めてコスモスに参加したのは、直腸がんの開腹手術を受けた半年後のCT検査で再発が疑われたときでした。話し出すと自分でもびっくりするくらい、堰を切ったように次から次へと話が出てきました。他の参加者は、黙ってうなずきながら熱心に耳を傾けてくれました。するとだんだんと心が落ちつき、冷静さを取り戻していきました。

私の話が終わって、今度は他の方がお話になりました。さまざまな病歴や体験談、それらを経た現在の心境や生活ぶりなどが披露されました。それで私は励まされました。よきアドバイスとなり、悩みを解決するヒントにもなりました。

普段は話すことのない心の深い問題も、ここでなら話せるという安心感が持てました。

「苦しみと闘っているのは私1人ではない」という連帯感が持てる場所だと実感しました。

また、私はがんにかかることにより、自分の命には限りがあることを痛切に意識しました。それまでの人生を振り返り、自分1人で生きているのではなく、たくさんの人に支えられて生かされていることに気づきました。

これからは人のためになにかしようと考えるようになりました。患者会の世話人を引き受けたのもそんな気持ちからです。

写真:「自然療法施設」1泊体験ツアーでの食餌
「自然療法施設」1泊体験ツアーでの食餌
写真:恒例のクリスマスリース作り
恒例のクリスマスリース作り。このほかにも、
歌の会や五行歌など楽しい文化サークルを催している

最近の患者会「コスモス」でこんなことを語った方がいます。「がんになったことで生きている幸せ、周囲の人の温かさを感じることができました。大切なものがあると気付いたうえで送るこれからの人生は、1日1日が輝いています」

この方は昨年がんの再発のため、大変な手術を受けられた方です。がんに感謝するとはまさに人生の達人です。

患者会「コスモス」では定例会のほかにも、歌の会や五行歌、篠笛、フラダンス、クリスマスリース作りなどの楽しい文化サークルを催しております。この他にもクリスマス会や年2回の旅行など、盛りだくさんの楽しい行事を用意しております。

患者会「コスモス」は、孤独になりがちな私たちがん患者が出会い、支え合う場として、また、参加者それぞれの思いを語り合う交流の場として継続したいと思います。

また、私達がん患者が体験したさまざまなことを、がんにかかったことのない方々や、医療に携わる方々に伝えたいと思います。

最後に、活動の助言、定例会のオブザーバー参加、患者の個別相談、コスモス交流セミナー開催など、患者会の活動を全面的にバックアップして頂いている、神奈川県立がんセンター医療相談支援室、並びにかながわ・がんQOL研究会に、心より感謝をしたいと思います。

[コスモス五行歌]

清野和子

一つの命は星になりました

一つの命は風になりました

残された 愛する者の悲しみを

どうやって癒してあげましょう

輝いたり、囁いたりしましょうか

腰原常雄

素敵な出会い

人の情け

生きる喜び

みんな

病のプレゼント

患者会「コスモス」事務局

〒241-0815横浜市旭区中尾1-1-2神奈川県立がんセンター
かながわ・がんQOL研究会 気付
TEL:070-5105-8167
FAX:045-366-3157
メール
代表者 緒方真子

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