さぬきの絆(がん全般/香川)
がん患者・家族・医療者との「架け橋」を目標に

さぬきの絆 代表 増田敬夫
発行:2008年5月
更新:2013年4月

  

「患者主体のがん治療」の環境づくりに邁進していきたい

写真:ニューズレター「さぬきの絆だより」
ニューズレター「さぬきの絆だより」

写真:香川県社会福祉センターで開かれた「さぬきの絆」の発足の会
香川県社会福祉センターで開かれた「さぬきの絆」の発足の会

いままで香川県では、乳がんなどの部位別の患者団体はありましたが、すべてのがんを対象にした患者会がありませんでした。

そこで、孤立しがちながん患者・家族へのサポートや医療者とのコミュニケーション強化の必要性を、医療現場で常日頃から感じておられた朝日俊彦医師(当時・香川県中央病院泌尿器科主任部長)、大橋英司医師(大橋内科・胃腸科院長)など数名が中心となり呼びかけを行い、平成17年9月末に「がん患者会結成発起人会」が結成されました。

患者・家族・医療者などを結ぶ架け橋に、との願いも込めて「さぬきの絆」と命名し、平成18年2月の発足の会の開催を目指し準備をスタートしました。

素人集団ゆえの試行錯誤を繰り返しながら、発足会の会場手配、講演会、シンポジウムの演者依頼などを進めるかたわら、会則の作成や運営のための世話人、各々の役割分担などの活動に必要な事項を1つひとつ積み上げていきました。

「さぬきの絆」の運営の目的として、

1 がん患者やその家族、その他、志を同じくする人々が悩み・生き方を語り、お互いに励まし合い、精神的な支えを目指す。

2 がん予防やさまざまな治療方法を学習しがん克服を目指す。

3 会員相互の勉強会、情報交換を通して医療のあり方を考える。

以上の3つを策定し、方向性も固めていきました。

予定通り翌年の2月4日、香川県社会福祉センターにおいて発足会が開催され、世話人たちの不安をよそに大盛況の会となりました。趣旨に賛同し入会いただいた会員は130名余りとなり、患者会の必要性が実証された形となりました。

発足会での内容は記念講演として自らががん患者である医師・舘有紀さんの「身体と心を癒すために」、シンポジウムでは患者・医師・看護師がシンポジストとなって「がんと共に生きる」のテーマでそれぞれの立場で想いを語り合いました。ボランティアの皆さんのオカリナ演奏も好評でした。

その後、原則として2カ月に1回の定例会を開催し、3月と5月に患者家族を中心に「がん患者」として体験談、不安や悩みを語り合い、質疑応答では医療者から丁寧な回答があり、参加者から好評をいただきました。

また、こころゆくまで話し合いたいという要望を受け第3回の定例会は高松市近郊の大串公園にて1泊研修を実施、「これからをどう生きるか」「医療に関する提言」「診断・治療の裏情報」「医療と福祉と在宅」というテーマで各部屋に分かれ、夜更けまで語り合いました。翌日の報告会では参加者から「参加して本当によかった。毎年宿泊研修を実施してほしい」という声が多く、恒例化することになりました。

写真:大第9回定例会講演(遠藤順子さん)後の質疑応答の様子
第9回定例会講演(遠藤順子さん)後の質疑応答の様子

1周年記念のときのポスター
1周年記念のときのポスター

その後の第4回定例会では、講演「香川県のがん対策について」シンポジウム「介護保険と在宅医療について」、第5回では講演「抗がん剤について」、シンポジウム「消化器がんにおける最新の化学療法」などを開催し、第9回では遠藤周作夫人の遠藤順子氏を招き、夫を看取った経験を踏まえた「患者のささやかな願い」を講演していただきました。このようにして現在、第12回世話人の朝日医師の講演と、グループワーク「私のカルテをつくりましょう」まで回数を重ねてきました。

その間、会員の方々から「もっと悩みを聞いてほしい」「他の患者さんから家族の生の声をもっと聞きたい」という要望も多く、昨年後半より定例会のない月に「交流会」を開催するようになりました。これは会員同士の語り合いに限定し、参加できる会員は少ないものの参加者からは好評をいただいています。

ようやく発足から2年が経過しましたが、まだまだ満足のいく活動にはほど遠いことも実感しています。県内におけるがん患者の実数からすると会員数は微々たるものですし、がん患者・家族・医療者との「架け橋」にとの目標もまだまだこれからの段階です。

香川県でも「香川県がん対策推進協議会」が今春よりスタートし、患者会のなかからも正式メンバーとして1名参加することが内定しています。

社会的な「がん対策に対する関心と理解」は間違いなく深まっており、「患者主体のがん治療」の実現に向けての環境は進展しています。

今後は「拠点病院におけるホスピス病棟の設置」「情報提供の充実」などの具体的な成果を1つひとつ着実に積み上げていくことにより、がん患者が充実した人生を送ることを支援できる患者会となるよう、前進していきたいと考えています。


さぬきの絆

〒760-0066 香川県高松市福岡町4-28-30
FAX:087-887-0179
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