リンパ浮腫に対する弾性着衣を保険適応にする会~鬨の会~
弾性着衣の保険適応の実現を目指して
大勢の人が一緒に発する
「鬨」の声が活動の原動力
「リンパ浮腫の啓発」と「実態調査」を活動の柱に
「リンパ浮腫に対する弾性着衣を保険適応にする会~鬨(かちどき)の会~」は、2005年1月に発足した医療非営利団体です。
始まりは私の乳がん発覚!
そして手術、抗がん剤、放射線とフルコースの治療の果てにリンパ浮腫の発症! でも、ここで泣いてばかりはいられじと一念奮起し、ドイツでリンパドレナージの技術を学んだ後に、2004年の秋には運命の赤い糸(?)に導かれて九州中央病院のリンパ浮腫治療技師として就職したのです。
ここで、乳腺診療に常に新しい技術を取り入れつつも、リンパ浮腫という後遺症にもしっかり目を向けて、その予防や治療に精力的に取り組んでいる北村薫乳腺外科部長と出会いました。さっそく先生にリンパ浮腫治療を保険適応化するための活動グループを興したいと相談すると、快く代表世話人を引き受けて下さり、数人の同志とサークルのまねごとを始めたのが、「鬨の会」誕生の瞬間でした。その後も全国津々浦々の10名の先生方に次々と世話人をお願いし、会の運営にさまざまな角度からご尽力いただいています。
会員は腕、脚を問わずリンパ浮腫を持つ患者の他、医師、看護師、理学療法士、議員など、会のタイトルに賛同してくださる多種多様なジャンルの方々で構成されており、いわゆる患者会とは違った組織作りのもとで急成長を遂げ、会員数375名にまで膨れ上がりました。
鬨の会では、その名の通り「リンパ浮腫に対する弾性着衣を保険適応にする」ことを目的としていますが、発足して活動を始めるやいなや世間の人々はもとより、当の患者さんでさえ「リンパ浮腫」という病名を知らないというショッキングな事実に直面しました。
多くの患者は「先生から何も聞いていなかったのに!」「この腫れは何?」「どこで治療したらいいの?」「主治医に相談したら、太ったのだろうと言われた!」などなど、信じられないようなエピソードは枚挙にいとまがありません。医療機関すらリンパ浮腫に関する正しい情報を持っていないという状況の中、患者たちは日に日に大きくなっていく脚や腕を見て嘆き悲しむばかり、というのが現状のようでした。
そこで、私たちは活動の柱を「リンパ浮腫の啓発」と「実態調査」にしぼり、社会にリンパ浮腫を知ってもらうと同時に、世話人の先生方を通じてリンパ浮腫の実態調査をしてもらい、この社会と臨床現場の2つの声を行政へ届けようという戦略を立てました。
啓発の一環としては、定期、不定期の講習会の他に2005年6月から街頭署名を行いました。会員とボランティアの方々の奮闘努力で集まった署名は11万4545名。当初の目標だった5万名を大きく上回り、北海道から沖縄まで、本当に全国から激励の言葉と共に多くの署名をお送りいただき、大きな「声」を1つにすることができました。この署名の束と厚生労働大臣宛の要望書を携えて2006年5月には、赤松副大臣(当時)へ提出しました。
そして2本目の柱は、わがリンパ浮腫センターを受診した上下肢リンパ浮腫患者さん約600名のデータ解析ですが、こちらの柱にもこのたび強力な補強工事が入ることとなりました。日本乳癌学会がバックアップする研究班の2006年度のテーマ「リンパ浮腫治療のガイドライン作成」の班長に北村先生が選出され、全国の病院の実態調査によるガイドライン作りに乗り出したのです。さらに近日、医療関係者を啓発していく目的で、北村班のメンバーが中心となって「リンパ浮腫研究会」も発足すると聞いており、まさにリンパ浮腫への追い風が一気に吹き始めた感があります。
これからも社会啓発とエビデンスを諸手の刃に、私たちの大きな声を厚労省へ届け続けて、1日も早く弾性着衣の保険適応を実現したいと思っています。合言葉は「エイ、エイ、オー」。この勝鬨にご唱和いただける方は、是非上記までご連絡ください。
鬨の会の組織図
鬨の会
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