がんを語る有志の会
がん患者・家族・支援者達が手をつなぐ「がん患者大集会」

文:事務局
発行:2006年2月
更新:2019年7月

  
がんを語る有志の会
大阪・梅田駅前での第1回患者大集会
に向けての街頭アピールの様子。
三浦捷一代表も参加し、道ゆく人に、
会の開催を呼びかけた

納得のいく治療情報・治療環境の獲得を目指す

「がんを語る有志の会」が2004年2月に発足してから、もう2年になろうとしています。大阪近辺のがん患者や家族たちが集まり、少しでも日本のがん医療の問題点を解決することはできないものかと話し合いを始めたのがスタートでした。

それが、翌年の「第1回がん患者大集会」開催につながり、定例会や公開講座にも、毎回たくさんの人たちが参加して下さるようになるとは、思ってもみなかったほどの小さな集まりでした。

はじめに集まりを呼びかけたのは、「癌治療薬早期認可を求める会」の三浦捷一医師らでした。三浦は、医者であり、肝臓がんを患う患者でもあります。当初、この呼びかけに集まったのは、肝臓がん、肺がん、乳がん、大腸がん、悪性リンパ腫などの患者や家族10名ほどでした。

話し合いを重ねて、会の目的・活動内容を確認し合い、設立趣旨を作成しました。

「がん患者・医師が同等の立場で話し合い、共通の認識を深めていく。納得いく治療情報・治療環境の獲得を目指す。そのために定期的な会合や医療講演会を開き、情報交換や学習をすると共に、外部への情報発信・提言もしていく」という内容を盛り込みました。

すでに別の患者会に名を連ねている者たち、初めて参加する者たち、それぞれの出発点ながら、ここでは、互いの活動を尊重しあいながら、同じ志を有する者で集まろうということから「がんを語る有志の会」と名づけました。

月1回の定例会に加えて、公開医療講座をほぼ3カ月毎に開催するペースが固まってくるのは、会発足後半年経ってからでした。

三浦代表や世話人たちのつてで、患者支援に熱心な医師・医療関係者にめぐり合うことができ、これまでに5回の公開講座を開催しました。

第1回公開講座「悪性リンパ腫の病態と治療」は、2004年9月に開催しました。広報担当の世話人片山環は、悪性リンパ腫患者で、悪性リンパ腫患者・家族連絡会「グループ・ネクサス」に共催を呼びかけました。

そこでネクサスからのセミナー運営のノウハウの伝授と、600人もの会員への呼びかけの協力を得ることができました。講師には兵庫医科大学病院血液腫瘍科の専門医が来て下さいました。

第2回は「消化器がんの化学療法」で、大阪府立成人病センター消化器内科の専門医が、胃がんと大腸がんを取り上げて、ご講演下さいました。

第3回のテーマは「定位放射線について」で、淀川医誠会病院の放射線医に解説をお願いし、その内容はいわゆる「ピンポイント照射」を中心とした、肝臓がんと肺がんの治療についてでした。

第4回では、再び「グループ・ネクサス」と協力して開催しました。「抗がん剤治療の副作用をどう乗り切るか」のテーマで、講師には日本看護協会神戸研修センターのがん化学療法認定看護師の方をお招きしました。そして、第5回公開講座は「肺がん、知っておくべきこと」で、NTT西日本大阪病院呼吸器科の専門医に講師となっていただきました。

第1回がん患者大集会の企画が出たのは、2004年秋、初めての公開講座を開催したばかりのときでした。早々からマスメディアの後援を得ることができたのはありがたく、協力者はみるみる増えていきました。

そして、2005年5月に大阪で全国初の「第1回がん患者大集会」が開催され、がん患者や家族、医療従事者など、全国から1800人もの参加者が集まりました。定員をはるかに超えるたくさんの参加申し込みを、断腸の思いで断らざるを得ないほどの大反響でした。

がん患者・家族・支援者達が手をつなぐこと、患者側からの意見を述べる場を、こんなにもたくさんの人たちが求めていたということが、改めて明らかとなりました。

がんを語る有志の会

代表・橋本榮介
電話・FAX:06-6794-2817
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