NPO法人ピュア
最期の場所を自由に選ぶことのできるシステムづくりを進めていく
代表の藤田敦子さん
在宅ホスピスケアとは、死を待つケアではなく、自分らしく生きるための支援
家族ががんになり、告知、治療、転移、終末期が1年も満たないうちに過ぎていき、医療の世界には、「心理的・社会的サポート」がないことを痛感しました。様々なことが私たち患者・家族を抜きにして語られ、私たちには学ぶ場も、意見を言う場も与えられていません。
とくに「最期の時を家で」と望んでも、医療者の理解はあまり得られず、またどこに在宅療養を支えてくれる人がいるのかもわかりませんでした。
家族の死後、在宅医療を熱心にしていた千葉市の服部義博医師と出会い、「情報がほしい」「患者・家族を支える地域のネットワークを作りたい」という思いを胸に、2001年に「ピュア」を発足させました。
がんを出発点に、「どんな状態になっても、最期の場所を自由に選ぶことのできるシステムをつくること」を目指し、在宅ケアの情報発信と在宅での看取りを可能にする地域ネットワークづくりに、市民として参画することを目的としたNPO法人です。
毎週火・金曜日午後に千葉大学福祉環境交流センター(広井良典教授)で在宅ホスピス電話相談を行い、一般を対象とした在宅ホスピスケアフォーラムを年1回(今年度は2月12日で、基調講演は川越厚医師「家だからこそ、その人らしく―在宅ホスピスケアの実際―」)、医療福祉専門職向けの在宅ケア公開講座を2回(前回は、「がん専門病院の患者さん相談窓口と医療連携」)開催しています。
秋には患者・家族を支える「ボランティア養成研修」(全6回で10月15日からスタート)、会員のみ参加可能の「本音でトーク」(9月25日に山崎章郎ホスピス医らが開いた「ケアタウン小平」を見学。10月から「がんで家族を亡くした介護体験者の話を聴く会」を連続3回)を開いています。
また、市民と医療・福祉・保健を結ぶ情報誌『ピュア』を年4回(講演会の要旨や介護体験、在宅ケアを支える人びとを取材し紹介など)編集発行。2003年度は、千葉市内の医療福祉機関へ在宅ケアアンケートを行い、診療所43、訪問看護18機関などの情報や便利グッズ、用語解説などを掲載した『家に帰ろう! 在宅ホスピスケアガイド―千葉市版』の編集発行なども行っています。
今年度からは新たにBOOK企画シリーズ『在宅ホスピスケア』の編集作業が始まり、在宅ホスピスケアの啓発を持続的に行っていきます。その他に、医療者が開催する学会や研究会での発表なども積極的に行っています。
電話相談、講演会や紙媒体での情報発信以外に、インターネットを使っての情報発信も行っています。ピュアのホームページ上では、関連団体の講演会情報をトップ画面でご案内しています。
「在宅ホスピス相談」では、千葉市で在宅ホスピス専門医として活躍されている大岩孝司医師の講演録『在宅ホスピス―生きることを支援』を掲載しています。ここからは、在宅ホスピスケアとは死を待つだけのケアではなく、最期まで住み慣れた場所や家族・友人の中で自分らしく生きるための支援であることがわかります。
「在宅医リスト」では、千葉県や他の団体のホームページから、全国の在宅ケア医情報を手にすることができます。
「情報リンク集」には、ホスピス情報だけでなく、治療に向けた最新情報サイトや患者団体サイト、悲嘆ケア、コミュニティケア情報サイトにもリンクをしてあります。今後も内容を随時更新していき、情報を充実させたいと考えています。
また患者や家族の声を施策へ生かすため、アドボカシー(建設的な提言)活動も行い、「千葉県在宅がん患者緩和ケア支援ネットワーク策定委員会」に意見書を提出したり、「アクションプラン2004提言書策定作業部会委員(健康医療)」、「千葉県がんセンター運営懇話会委員」として提言しています。
2003年度は、千葉県と協働して千葉県内7000機関にアンケートを送り、約1400の医療機関や介護事業所の情報を収録しました。この情報は、ピュアのホームページのトップ画面や「在宅医リスト」にリンクしてあります。千葉市内情報のみ、右記の『家に帰ろう! 在宅ホスピスケアガイド―千葉市版』を編集発行し、1冊1000円と送料で頒布しています。
相談、講演、情報、養成、提言など様々な活動を行い、患者と家族を支えていきます。
NPO法人千葉・在宅ケア市民ネットワーク ピュア
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