原千晶さんが立ち上げた婦人科がんの患者会

自分らしくたくましく生きていけるように

よつばの会会員 菅原ふさこ
発行:2012年11月
更新:2013年4月

  
よつばの会会員 菅原ふさこさんよつばの会会員 菅原ふさこさん

よつばの会連絡先 info@yotsuba-kai.com
ホームページ: http://www.yotsuba-kai.com

タレントの原千晶さんが立ち上げ

「よつばの会」の事務局スタッフ。左から棚橋さん、渡邉さん、原千晶さん菅原さん(9月から森田さんが加わりました)「よつばの会」の事務局スタッフ。左から棚橋さん、渡邉さん、原千晶さん、菅原さん(9月から森田さんが加わりました)

よつばの会は、タレントの原千晶さんが立ち上げた、婦人科がんの患者会です。原さんが、子宮がんを患っていたことを公表したのが2010年11月15日。その直後、公式ブログに沢山のコメントが書き込まれ、婦人科の病で苦しむ女性が多いことを知ったそうです。

できる限りお返事することで、原さんは交流を深めました。私もその1人です。さまざまな声を聞くうちに、「いつか直接会って、それぞれの経験を共有できる場が設けられたら」と思うようになったそうです。

婦人科の病は、周囲に理解されず1人で悩む方が多いのが現状です。それを、同じ経験した者同士ならば、お互いに思いを吐きだせるのでは? との思いから、2011年7月に原さん自身が「よつばの会」を立ち上げました。

現在は月1回(不定期)、原さんを含めて10名程が集まり3時間、それぞれの病状・体験を話します。初めての入院や手術、抗がん剤・放射線治療など、がん治療は多岐に渡り、1人では分からないことばかりです。

手術への不安、抗がん剤での脱毛・手足のしびれなど副作用への不安。家族・子供に自分の病気をどのように伝えるか、術後の性生活など……さまざまな内容について話し合います。

これを機に、出会った方々は連絡先を交換したり、食事の約束をしたり、貴重な関係を築かれていきます。いまでは、私たちにとって、ご縁を紡ぐことができる大切な会になっています。

勉強会や親睦会も

2012年7月14日に行われた「よつばの会」発足1周年パーティー2012年7月14日に行われた「よつばの会」発足1周年パーティー

最近は、リンパ浮腫の専門家を招いて「リンパ浮腫講座」を開催しました。術後の最大の悩みであるリンパ浮腫。しっかりと丁寧にリンパの仕組みから、リンパ浮腫について、治療法や注意点などを勉強しました。最後に、リンパドレナージュの手技を見ることができ、大変貴重な勉強会でした。

決して難しい勉強会ばかりではありません。昨年末には「よつばの会」初忘年会が開かれました。病気にはなってしまいましたが、「よつばの会」に参加し、生きていることを一緒に喜び・笑い・泣ける友人に出会えたことに感謝し、参加者が全員声を合わせて「乾杯!」しました。

2012年1月末に、鎌倉ツアーが実現しました。参加者は7名。まず、マクロビレストランでランチ。病院や主治医の話をはじめ、参加できなかった仲間の話をしました。

終始和やかでしたが、話題が兄妹の妊娠になった際には、喜びが大きい反面“子供が産めない”ことで身内から気を遣われる存在になってしまった、と涙する場面がありました。これも、同じ経験をしているからこそ話せることです。

食後は今回のメインイベント、上行寺への参拝です。手書きの“がん封じ”という立て看板が印象的でした。運が良ければ手に入る「黒い石」を頂き、それぞれがんが消えますように、と念じながら患部をこすりました。(参加者:渡邊久美さん談)

ホームページも完成

「よつばの会」の本部・事務所が、2012年7月に新設オープン。「よつばの会」の本部・事務所が、2012年7月に新設オープン。

2月には、念願の「よつばの会ホームページ(HP)」が完成・公開しました。トップページは、原さん自らが刺繍した「よつば」で彩られています。HPの内容は、「原さんからのメッセージ」の他、「はじめての検診」、「実感! おすすめグッズ」など。

また治療について、「私の闘病記」など病気を経験した会員の声をそのまま反映しており、すぐに役立つ内容になっています。みなで、情報を共有しあう参加型のHPにしました。ご意見・ご提案コーナーもありますので、ぜひご利用ください。

そして、4月には「よつばの会」として、代々木公園で開催されたビッグイベント「アースデイ」にブースを出展し、同時に「NPO法人子宮頸がんを考える市民の会」の方々と一緒にチャリティーにも参加することができました。

そこで専門家を招いてリンパ浮腫講座が開かれたそこで専門家を招いてリンパ浮腫講座が開かれた

HPで呼びかけ、全国から届いた手作りの雑貨や小物などを販売し、たくさんの来場者と触れ合い、子宮頸がんの検診の大切さも直に訴えることが叶いました。

「よつばの会」の販売ブースも予想以上の売り上げがあり、「子宮頸がんを考える市民の会」への寄付をはじめ、「よつばの会」の今後の活動費(HP運営・会場代など)も作ることができました。

こうして1歩1歩、みなで力を合わせて何かを成し遂げていくことを実感し、非常に充実したときを過ごしています。

「よつばの会」に参加する人はみな、婦人科の病を経験し、さまざまな思いを抱えています。でも会に参加し、みなの話を聞くうちに自分1人ではないんだという、大きな勇気をもらうことができます。そして、少しずつ立ち直っていき、人と人の繋がりが生まれるなかで、今度は自分が誰かのために何かできないだろうか? という気持ちになってくるのです。

病気になったからとはいえ、人生終わりではない。がんになって学んだたくさんの人生経験をフルに生かし、再び社会にでて大きく貢献できる女性になれるよう、その第1歩となるように、「よつばの会」はこれからも地道に活動し続けます。

「よつばの会」は女性の大きな味方であり、自分らしくたくましく生きていけるよう、一緒に寄り添い背中を押せる存在になりたいと思っています。原千晶さんと共に、みなで繋がっていける会を目指しています。

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