ゆずりは
お互いが支え合い、助け合い「今」を生ききる

文:黒田裕子
発行:2005年9月
更新:2019年7月

  
黒田裕子
代表の黒田裕子さん

「人づくり」の場を提供したい

がん患者グループ「ゆずりは」は、1996年3月30日、理学療法士、医師、看護師、ボランティアによって、がん患者様の「今」を大切にしたいとの思いから誕生しました。その目的は、がん患者様とその家族を精神的に支え、その人の直面する社会的問題の解決の援助をすることにあります。そのために、臓器別会合や家族会を開催しています。

異なる症状を持つ方々による臓器別会や家族会を開催することで、お互いの悩みを共有し、問題解決に近づけています。

また、異なる症状や立場の違いを認め合い、グループでお互いの気持ちを語り合い、学び合いをしています。日常の工夫などを話し合う中で、「今」の一瞬一瞬を十二分に生ききることを目指しています。

「がん患者の」「がん患者による」「がん患者のための」会で、一緒に活動し、悩みやつらさ、喜びを共にすることで残された人生を有意義に目標を持って生ききっていきます。

現在会員が約200人です。全国のがん患者様及び家族・友人・医療者で構成されています。

同じ痛みを持つ者同志が語り合い、支え合う中で「自助」「共助」ができることを願っています。また、患者様同士では支え合いきれない部分においては医療者の手を借りながら、「今」を生ききることのできる「時」となる事を望んでいます。そうした「場」を提供することで、病む者同志の「人づくり」となることを願っています。そこでの「仲間づくり」は生きる「勇気」「動機」となっています。ゆずりはの活動内容としては、次のことを実践しています。

1.定例会(月1回第2土曜日)

定例会は毎月第2土曜日(13時~16時30分)に行っています。 13時~14時の1時間は患者様同士が「今」を語り合って、お互いの話を聴くことで、治療などに対する動機づけとなり、さまざまな気持ちを分かち合うことができます。

14時~16時30分は、医師・専門看護師などによる勉強会を行います。

年1回の行事としては、施設見学(ホスピス)、各人の作品展示、新年会があります。

2.臓器別会

臓器別の会を、2カ月に1回開いています。臓器別会を発足させたのは2年前からです。全体会の中では、話がしにくいとの声があがったのがきっかけでした。現在は乳がん・肺がん・胃がん・肝臓がんの4つの部会が活動しています。リーダーはメンバーにお願いしていますが、それぞれ活発な意見が出されています。

3.家族会

患者様と向き合っているご家族も同じような悩みや苦しみを共にされているため、家族同志で、語り合い、支え合っています。患者様との向き合い方、息抜きの仕方など、お互いの学びの場ともなっています。

4.電話相談

毎日24時間での電話相談を受けています。時には入院中の患者様からの相談があります。入院中ですから、本来は医師や看護師がしっかり生の声に耳を傾けてくれていたらと思うと胸が痛みます。相談内容はさまざまです。

5.会報の発行

「新しく生きるがん患者グループゆずりは会報」は毎月1回発行です。紙面には会員の皆様から寄せられた声、医療・福祉関係者からの情報、勉強会の報告、本の紹介などが満載されています。

6.図書の貸し出し

第1月曜日・各金曜日の10時30分~13時30分の間に本の貸し出しをしています。利用は会員の皆様のみとしています。

以上のような活動を継続して約10年になります。口から口へと伝わって友を求めて様々な人々が入会されてきます。最近注目されている「がん治療」に対して様々な角度から議論したいものです。

3人に1人はがん患者という現状の中で、現場の中の問題を政策提言にもつなげています。最期の時に笑みを浮かべて、「この国に生まれて、生きてきてよかった」と思えるような環境整備をしていきたいと考えています。

がん患者グループ ゆずりは

代表・黒田裕子
〒651-2109 兵庫県神戸市西区前開南町1-2-1  電話:078-733-1821 FAX:078-977-0224
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