びわの葉の会
会員間の交流と、 医師とのコミュニケーションを通して、 患者として自立する
代表の松田勇さん
患者さんに心の健康をもたらす活動を
「がんになって、私と同じように、精神的に悩み、苦しんでおられる方を支えることを、私の心の支えにしよう」という、私なりの目標を実現するために、2003年10月、がん患者会「びわの葉の会」を立ち上げました。
会の目標は「患者の心の健康」とし、2カ月に1回の例会、患者懇親会、旅行、会報発行など、会員の反応を見ながら活動実績を重ねてきました。
私は、2003年2月に広島日赤・原爆病院でがんの手術を受けました。その前後は、精神的に大変落ち込みましたが、手術後3カ月経ったころに参加した、緩和ケアを考える会・広島主催の「がんを知って歩む会」での、がんと闘っている患者さん、ボランティアの皆さんとの交流を通して、前述のような私なりの目標を見つけることができました。
同年6月ごろから病院に相談して、3回の準備会を経て、活動方針をまとめ、次のような体制で、10月に本格的な活動を開始しました。
(1)会員は、日赤病院の外来患者と医療スタッフとする。
(2)日赤医療スタッフと緩和ケアを考える会・広島の支援を受ける。
(3)例会等のポスターは、病院内に掲出してもらい、会場も病院内を使用させてもらう。
第1回例会は、日赤病院会議室にて14名の参加で行われました。内容は、まず、絵門ゆう子さん出演のテレビ番組「波瀾万丈」から絵門ゆう子さんのがん闘病記をビデオで鑑賞。その後、参加者より順番に自己紹介を兼ねて「自分の思いを思いっきり放出(放出内容は部外不公表)」してもらいました。
参加者が自分の思いを率直に放出され、涙を堪えられぬ方も何人かおられました。それを聞く側もしっかりと耳を傾け、相互の気持ちが同感同調できたようです。
解散時での挨拶で「よかった」「また来ますから」と笑顔を向けられる方もおり、私が逆に支えられていると実感し、感極まりました。
その後行った例会、懇親会、旅行等の16回の活動を振り返ってみて、ようやく「びわの葉の会」は何をすべきなのか、会の役割が明確になってきました。
「びわの葉の会」の役割は、
(1)担当医との上手な付き合いができるようにする。
(2)患者同士の横の連絡を密にとれるようにする。
この2点を実現できるよう、サポートしていくことです。
「担当医との上手な付き合い」について
昨年夏ごろから、心を開いてくれる患者さんや会を頼りにしてくれる患者さんが増えてきましたが、同時に、患者さんの声から「患者として自立できてない」患者さんが多いことに気付きました。
例えば、セカンドオピニオンを受けたくても、担当医に遠慮して受けられないでいる方など、「担当医との上手な付き合い」ができず、悶々としている患者さんがいます。そのような患者さんのために会としてできること、それは、「患者の生の声」を病院側に伝えることだと思います。
幸いにも、会の発足後に病院の幹部から「こんな会を作ってもらってありがとう。医師が必要であればいつでも協力します。何でも相談に乗ります」と激励されており、今日まで患者会の内容は何でも報告するようにしていました。厳しい内容のことでも「患者の生の声」を伝えることが大切なことだと思っています。
また、個人的問題については、個別に病院側に対応してもらうようにお願いし、それなりの効果をあげています。
「患者同士の横の連絡」 について
ある患者さんが、転移で落ち込んでいたので、本人の了解を得て患者仲間にお知らせしたところ、数人の方がお見舞い、激励の電話をされ、本人は大変喜んでいました。
患者さん同士が、横の連絡を密に取り合って、お互いに友人としてのお付き合いができるようになりつつあります。患者さん同士が、友人として、仲間として支え合える輪を大切にしたいと思います。
会の役割は、つまり、患者間、患者と担当医との心の接近を図ることでしょう。
1年6カ月の会運営を通じて、患者を取り巻くすべての問題に対して、患者自身が「変わるべきところは変わる」勇気が大切だと思います。
私は、気持ちの落ち込んだ患者さんから、「松田さんのように元気に生きるにはどうしたら?」と思ってもらえるような、患者さんの見本になりたいと思います。そして、落ち込んでいる患者さんに、それぞれ「自分に合った目標」を見つけてもらいたいと願っています。
びわの葉の会
代表・松田勇
〒732-0063 広島県広島市東区牛田東2-13-8 FAX:082-228-9837
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