のぞみの会
がんに関する情報提供から心のケアまで、病気を克服していく活動を展開

文:浜中和子
発行:2004年6月
更新:2013年7月

  
はまなか かずこ

浜中 和子さん
50年広島生まれ。尾道市浜中皮ふ科クリニック院長。 医学博士。93年乳がんで乳房温存手術。同年乳がん患者会「のぞみの会」設立。03年中国新聞に「のぞみを胸に」連載。診療のかたわら乳がん患者支援活動、ホスピスケア活動に奔走している。

尾道から乳がん検診の充実と乳房再建術の保険適用を求めて

乳がん患者会「のぞみの会」が発足して10年半がたちました。この10年の間に医療をとりまく状況は大きく変わりました。患者の権利意識は確実に高まり、患者を主体とした医療に変わりつつあります。

全国各地に患者会が誕生しています。患者の声を医療の現場に届ける役割を患者会は担っています。必要に迫られて、自発的に発生した患者会ですが、今や必要不可欠な存在になっていると自負しています。患者同士が支えあい励ましあう交流の場であるだけでなく、がんに関する様々な情報提供、患者の心のケア、術後の日常生活での具体的なケアなど、医療者サイドのみではカバーしきれない領域で、患者会の果たす役割は大きいと思います。

1993年の春、私は乳がんと宣告され手術を受けました。私自身は皮膚科医で、それまで治す立場にいましたので、いきなりがん患者になって死の可能性を自身のものとして自覚したときは本当にショックでした。そのときに同じ病院で看護師をしていた桜井さん(のぞみの会広島代表)が、乳がん経験者として励ましてくれ、同病者の励ましがいかに心強いかを実感しました。

そして医者でもあり患者でもあるこの立場を役立てたい、今回の経験を無駄にしたくないと思い、その年の夏、桜井さんとともに「のぞみの会」を結成しました。

現在会員は広島県下全域と近隣県を併せて450人います。できるだけ会員の負担をすくなくするため、年会費(通信費)として1000円のみいただき、例会の内容に応じて参加費(実費)を集めています。講師の先生のご協力もあり、何とか運営費がまかなわれています。

年に4回(1月、4月、7月、10月)広島と尾道でそれぞれ例会を開催し、その他の月にミニ例会を開いています。例会でのこれまでの活動内容をご紹介します。講演会では外科医師により乳がんの手術、乳がんの治療、再発予防、乳房再建、薬の副作用、リンパ浮腫などについての話、さらに内科医師により高脂血症、放射線科医師により放射線治療、栄養士によりがんを防ぐ食生活、がんの生きがい療法、がん体験者の話などを聞き、勉強してきました。

例会の他には、食事会による交流会、気功の実技指導、お花見、温泉ツアー、補正下着説明会、ホスピス見学、ホスピス設立支援運動など様々な活動を行ってきました。

ミニ例会では主に患者同士の交流を図っています。これまで心の中にたまっていたつらい思い、術後の不安、病気になった悔しさ、再発への恐れなど会員たちの切実な思いや体験談を話しあっています。同じ乳がん体験者であるという安心感から、やっと自分の気持ちを思う存分話すことができるようになったという人もいます。つらい思いをしたのは自分一人ではないということを知るだけでも意義があると思います。同じ病気と戦っているという共通の体験が仲間の心を結び、お互いに励まし合い支え合っています。

最近の会での取り組みについてお話します。私たちは次の2点について厚生労働大臣に要望書を提出し、少しでも多くの人の声を届けるため、署名活動を展開しています。

要望項目
(1)乳がん検診の充実を目的として、マンモグラフィを検診車へ搭載するための補助金を要望します。
(2)乳がん術後の乳房再建術を保険適応術として認めていただきたく要望します。

もし全国の乳がん患者会の方が賛同していただいて、同時に全国から賛同の署名を集めたらすごい力になると思うのですが、いかがでしょうか。ホームページに要望書と署名の形式を載せていますので、コピーしていただき、各患者会の名前で厚生労働大臣に声を届けていただければと願っています。

さらに2004年5月16日に乳がんの啓発活動として「2004ブレストケア ピンクリボンキャンペーンin広島」を「ひろしま女性NPOセンター☆未来」や他の団体と協力して開催致します。若年層から自己検診や乳がん検診について意識を高め、早期発見、早期治療を啓発することがピンクリボンキャンペーンの目的です。地方都市では私たちの活動が初めての試みであり、市民一人ひとりに呼びかけて一人でも多くの方に女性のがんのトップである乳がんのことを知ってもらいたいと考えています。

2005年6月18、19日には第13回日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会in広島が広島市で開催されます。私たちはその中で患者部会を企画運営する予定で、全国の患者会に参加を呼びかけたいと思っています。

皆で患者会の問題点、抱負、今後の活動方針、医療者側への要望など大いに議論しませんか。医療の主役は患者です。患者会が起こした小さな波はやがて大きなうねりとなり医療を変えていくことでしょう。

乳腺疾患患者の会 のぞみの会

会長/尾道市・浜中和子
会長/広島市・桜井征子
〒722-0022 広島県尾道市栗原町5901-1 浜中皮ふ科クリニック内
電話:0848-24-2413  FAX:0848-24-2423
ホームページ

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート12月 掲載記事更新!