最新治療、そしてケアについて学び続ける
参加者同士で支えあい前向きにがんと付き合う
NPO法人ホスピスケア研究会事務局
〒171-0014 東京都豊島区池袋3-3-7-401
TEL:03-6909-5432、FAX:03-5966-5443
ホームページ:http://hospice-care.jp
ホスピスケア研究会は、1987年7月に「がん終末期の患者さんとご家族のために、よりよいケアのあり方を研究し、広く普及すること」を目的に、看護師有志が集まって発足しました。
2012年25周年を迎え、この間、「がんを知って歩む会」を推進するなど『がんとともに生きる人を支える』というポリシーで活動を続けてきました。
活動拠点は、東京ですが、大阪と札幌でも活動しています。そして一層社会に貢献するために、2012年に特定非営利活動(NPO)法人となりました。活動内容は次の3本柱を中心に実施しています(図1)。
患者さんと家族のためのサポートプログラム
発足当時から行っていた電話相談で、医師から説明を受けても医学用語がわからず苦しんでいる方や、医療関係者の説明を誤解して苦しんでいる患者さん、ご家族からの相談が増えてきました。
そこで、“がん”とうまく付き合いながら、質の高い生活を送るための情報提供を患者さんにするとともに、参加された方に気持ちを十分表してもらうサポートプログラム「がんを知って歩む会」を1994年から開催しました。開催18年で、約1000名以上の方が参加しています。
これは、アメリカで開発された“I CAN COPE PROGRAM”(がん患者さんとご家族のためのサポートプログラム)を、日本の状況にあわせたものです。アメリカでは3000カ所以上で広く実施され、日本では我々の研究会主催で行っています。
「がんを知って歩む会」は、がんを持ちながら“前向きに生活していく姿勢が強くなる”ことを目的としています。会の中では、各テーマに沿った内容の情報提供、話し合い、さらにリラクゼーション方法や軽い体操を体験するなど、幅広い交流を行います。ご希望の方には、個別の相談もお受けしています。
「がんを知って歩む会」の特長は、参加者同士が話し合いを通して情報交換を行い、気持ちをサポートしあうことです。がんをもっている同じ立場での話し合いが、前向きにがんと付き合う力を強めることに役立っています。
東京、大阪、札幌それぞれの会場で開催していますが、ご案内は、NPO法人ホスピスケア研究会のホームページに掲載しております。
じっくり話を聴くがん電話相談
電話相談は、研究会発足からの主要な活動です。25年間で、総相談件数は9200件余りとなりました。
これまでに、相談いただいた方は、女性が7~8割で患者さんご本人よりも娘さんや奥様といったご家族からが多く、6~7割を占めます。
お電話の中には、不安な気持ちをお話ししたいという方も多くいらっしゃいます。また、医療者・医療機関との関係で困っていらっしゃる方、患者さんとのかかわり方に悩んでいる方からの相談もあります。医療に関する情報を知りたいという中に、医師から説明された治療や病気についての説明がよく理解できないのに医療者には聞けない、という方も少なくありません。
内容は、転院を勧められたのでホスピスを探したい、家での介護方法を知りたい――など多岐にわたります。最近は、今後の療養場所の選択に関する相談、家族同士のコミュニケーションに関すること、発病に伴う家族内の不和や感情のもつれなど、時間をかけてじっくり話を聴く相談が増えています。
相談件数は減ってはきていますが、複数回、繰り返してのご相談を受けることが増えました。
相談された方が安心してお話ができるように、スタッフからお名前などを伺うことはありませんし、お1人の相談時間はとくに制限はありませんので、ゆっくりお話しいただけます。
基本的に平日の11時~16時まで、がんに精通した看護師が対応しておりますので、どうぞご利用ください。
がんとともに生きる人を支える
発足当初の研究会では、イギリスからホスピスナースを講師に招き、症状コントロールについて学びました。その当時は、ホスピスの数も極めて少なく、麻薬を中心とする痛み止めもあまり行われない時代でした。当時、日本では普及していなかった痛み緩和の方法や、在宅ホスピスなどについて一緒に学んだ看護師が、現在、全国で活躍しています。
その後、東京・大阪・札幌などで研究会を開き、会員が研究会に参加しやすいようにしました。
研究会のテーマは、できるだけ臨床の場で活用できる内容を選ぶことをモットーにしています。
ホスピスケア研究会が発足し25年、「がんを知って歩む会」を開始して、18年間が経過しました。この間、がん治療や痛みの緩和方法もずいぶん進歩しました。そして、患者さんに医療者から多くの情報が説明されるようになってきました。患者さんやご家族の方の悩みも少しずつ変化してきています。
私たちは進歩した最新の治療とケアの方法について学び合い、『がんとともに生きる人を支える』ための活動を継続していきたいと思っています。
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