血液疾患の患者や家族のより良い環境をつくる
「気楽に、自然に」をモットーにつながり、寄り添う場
血液疾患と歩む患者・家族の会まろまろ
〒030-8553 青森市東造道2-1-1
青森県立中央病院血液内科外来内
TEL:017-726-8141
FAX:017-726-8083
HP:http://aomori-kenbyo.jp/ketsueki
E-mail:fwhy2780@nifty.com
気軽な情報交換の場が欲しい
悪性リンパ腫と告知された日から、造血幹細胞移植を受けて社会復帰するまでに1年近い時が経過していました。事態がのみ込めず、受け入れることもできず、やがて絶望に打ちひしがれていた私でしたが、この頃には、生きて在ることの有り難さと、命をすくい上げてくれた幾百のスタッフの幾千の医療活動への感謝で、「病を得て良かった」とさえ思うようになっていました。
退院後、この想いをお返ししたいと思っている中で出会ったのが、(財)骨髄バンクのボランティア説明員を募るチラシでした。この頃、青森県の人口当たりの骨髄ドナー登録者数は全国最下位だったのですが、私も骨髄バンクから委嘱を受け、他の応募者と共に登録会活動を始めることになりました。でも、心の中にはもう1つの宿題が残されたままでした。
退院し、いざ通院となると、患者仲間と話す機会も減り、医師・看護師の方々と接する時間にも限りがあります。「退院後もつながっていられる気軽な情報交換の場があったなら」というのが私たち患者・家族同士の希望でした。
また、今まさに告知を受け、眼前が真っ暗になっているであろう患者さんたちに、「こうして元気を取り戻した私たちがいるよ」という「希望」を届けていきたいという思いでした。
療養生活の環境づくりと体験に基づいた情報提供
そんな中、青森県立中央病院血液内科の久保恒明医師を始めとするスタッフの呼びかけに呼応し、中心となって患者・家族会の立ち上げ準備を始めたのがドナー登録会活動を行っていたメンバーの面々でした。
それから約半年の準備期間を経て、平成18年7月に設立されたのが「血液疾患と歩む患者・家族の会まろまろ」です。会の名称は会員からの公募で決まったのですが、「まろまろ」
「骨髄」を意味するBone-Marrowに由来します。
まろまろは、「血液疾患の患者、家族及び関係者が交流を深め、情報の交換や医療に関する認識の向上を図ることにより、療養生活の環境づくりをすすめ」、また「あとから来る患者さんたちに、体験に基づいた情報を提供するなどの協力活動を行う」ことを目的としています。
会員は、血液疾患の患者、家族の正会員のほか、医療関係者や会の趣旨に賛同される方にもサポーター会員として参加していただいています。スタート時60数名だった会員は現在137名で、そのうち95名が正会員です。
活動は、毎月開催の「談話会」、季刊の「会報」、「学習会」を中心として、その時々のイベントを行っています。
情報交換・学習会からレクリエーションまで
「談話会」は第4土曜日に県立中央病院血液内科病棟の食堂をお借りして開催しており、会員のほかに入院中の患者さんにも声がけをしています。普段、スタッフになかなか聞けないようなことなども含め、患者同士、家族同士で気兼ねなく情報交換を行っています。飲み物とお菓子をつまみながら、体験を交えてお伝えするようにしています。
「学習会」は、県立中央病院の医師に協力いただき血液疾患に関わるお話をわかりやすく解説していただくほか、「ミニミニ学習会」と称してコメディカルの方に、「細菌感染から身を守る手洗い・歯磨きの方法」など、私たち患者に身近な情報を提供していただいています。
秋恒例の「バス遠足」は、久保医師の発案で会の発足とともにスタートした行事で、医師やスタッフの方々と美術館などを見学の後、ビール片手にバーベキューコンロを囲むという、会員がもっとも楽しみにしているイベントです。「元気になって、まろまろのバーベキューに参加するのが目標」と言ってくださる方もいます。
患者さん・ご家族の気持ちに寄り添いながら
また、会の活動の特徴として、「市民公開講座『骨髄移植を知ろう』」の開催協力があります。この催しは、県民の皆さんに血液疾患や骨髄移植のことを広く周知し、ドナー登録にもご協力いただきたいという趣旨で始められたもので、全国骨髄バンク推進連絡協議会ほかの共催で年2回開催しています。
まろまろは後援として運営に協力しているほか、会員も出演して移植体験談などをお話ししています。回を重ね昨年秋で13回目を迎えましたが、全国最下位だったドナー登録率も現在では第21位と、骨髄移植に対する関心と理解が確実に広がっていることに関係者一同想いを新たにしたところです。
まろまろは、「気軽に、自然に」をモットーに会員の「自由な発想で企画」し、「可能な範囲で参加する」明るく楽しい会を目指してきましたが、はたして患者・家族の気持ちに寄り添うことはできているか。その原点を振り返りながら、これから、次の1歩を進めていきたいと思います。
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