ビスホスホネート使用時の口腔ケアは?

回答者:薄井 紀子
東京慈恵会医科大学付属第3病院 腫瘍・血液内科診療部長
発行:2011年4月
更新:2013年12月

  

多発性骨髄腫による骨病変のため、ビスホスホネートという薬を使うことになりました。副作用であごの骨が溶けるなどの症状があるので、口腔ケアが必要と聞きました。口腔ケアは、どのようなことに気をつけたらよろしいでしょうか。

(山口県 女性 68歳)

A 日常の歯磨きを丁寧に行ってケアをする

はじめに、口腔ケアは多発性骨髄腫だけでなく、どんながんの場合でも重要です。ですが相談者のように、ビスホスホネートという薬剤を使用する場合は少し注意が必要になります。

多発性骨髄腫は骨を溶かし、骨病変だけでなく血液中のカルシウム濃度が高くなって起こる高カルシウム血症を引き起こし、患者さんの命を奪ってきました。

しかしビスホスホネートによって、骨を壊す破骨細胞の活性を損なわせて、骨が溶ける症状を防げるようになりました。

このビスホスホネートによって骨の代謝バランスを保とうとしているところに、抜歯などを行うと、炎症を引き起こしたり、あごの骨の壊死の危険性があり、注意が喚起されています。したがって口腔内を清潔に保ち、虫歯を防ぐケアが必要なのです。

口腔ケアといっても、特別なことをするわけではありません。食事をすれば口の中に必ず雑菌が入るので、毎食後1時間以内に、食べたものの残りかすをしっかり取るようにブラッシングすることが勧められます。

歯だけではなく、歯茎まで丁寧にブラッシングしましょう。ブラッシングはだいたい3分くらいが目安です。多少出血してもかまいませんが、あまり強くこすると歯茎を傷つけてしまうので、柔らかい歯ブラシを使うといいでしょう。口腔内を清潔にするうがい薬を利用するのもいいかと思います。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!