多発性骨髄腫の母の治療。維持療法が最善の治療方法か

回答者●鈴木憲史
日本赤十字社医療センター骨髄腫・アミロイドーシスセンター長/治験事務局長/輸血部長
発行:2019年6月
更新:2019年9月

  

母が2017年11月に61歳で多発性骨髄腫(MM)を発症し、自家移植とVRD療法を受けました。

2018年4月に退院し、1カ月ごとに定期検診を受けています。2018年の12月の定期検診でλ(ラムダ)型フリーライトチェーンが50.2と増えており、k/λ比が0.21と低くなっていて、λ型フリーライトチェーンの数値がこのまま増えるなら、維持療法をしましょうと医師から言われました。

現在のステージや、今後の母の予後(よご)がどの程度なのか、また維持療法が最善の治療法なのかわからず不安が募ります。

(33歳 女性 福井県)

いろんな治療方法の選択肢があるので主治医とよく相談を

日本赤十字社医療センターの
鈴木憲史さん

ご質問者のお母さんは61歳で自家移植とVRD療法を行なっているということですので、まずはきちんとした治療を行なっていると思います。

しかし、2018年4月に退院して8カ月後の12月の定期検診でλ型の数値が上がってきたということは、患者さんがバイオケミカルリラプス(生化学的再燃)の傾向にあります。

ですから、今はいい薬がありますので、患者さんに症状が出る前に新たな治療を再開すべきだと思います。

患者さんが1度やられたVRD療法は一定程度効果があったと思われるので、VRD療法にもう1度トライすることでもいいし、KRd療法という新しい療法を行なってもいいでしょう。

また、病院が遠くて通いにくい場合には、飲み薬のニンラーロ(一般名イキサゾミブ)もありますし、ダラザレックス(一般名ダラツムマブ)などいろんな治療方法の選択肢も用意されています。

ですから、主治医から維持療法をしましょうと言われたとのことですが、今の段階では維持療法というより、主治医の先生とよく相談されて前述したような地固め療法(再寛解導入)を行うことお勧めします。

それとご質問者は患者さんの予後のことをお尋ねになっていますが、61歳の患者さんですと、スタンダードリスクなら今では10年生存率は平均して6割ぐらいありますから、治療は10年、20年といったスパンで考えられたほうがいいと思います。

VRD療法=ベルケイド(一般名ボルテゾミブ)+レブラミド(一般名レナリドミド)+デキサメタゾンの併用療法

KRd療法=カイプロリス(一般名カルフィルゾミブ)+レブラミド(一般名レナリドミド)+デカドロン(一般名デキサメタゾン)の併用療法

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