再発予防のため化学療法を受けたほうがいいか
閉経前の48歳の女性です。2023年1月に左右乳房に乳がんが見つかり、3月に両側乳房全摘手術と乳房同時再建術。センチネルリンパ節生検を受け、リンパ節転移はありませんでした。
右乳房は5.1㎝の浸潤がんで、左乳房は非浸潤がんでした。右乳がんはホルモン受容体陽性、HER2陰性、組織グレード3、Ki67値は30%、またオンコタイプDXの再発スコアは18で、BRCA遺伝子検査は陰性でした。5月からタモキシフェンを服用していますが、再発予防のため化学療法も受けたほうがいいのか悩んでいます。
(48歳 女性 兵庫県)
A 化学療法を受けたほうがいい
板橋中央総合病院
乳腺外科医長の上野貴史さん
乳腺外科医長の上野貴史さん
ご相談者のオンコタイプDXの再発スコア18は、ミドルレンジなのですが、2018年7月に発表された大規模「TAILORx試験」の報告結果では、再発スコアが15以下であればホルモン薬治療だけよく、閉経前で再発スコアが16以上の患者さんは抗がん薬治療を加えたほうが治療成績は少し良くなるという結果が出ています。ただこの試験の参加条件は腫瘍が5cm以下のものでした。
ご相談者の場合は腫瘍の大きさが5.1㎝で再発スコアが18なので、再発予防のためにも化学療法も受けられたほうがよろしいかと思います。