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閉経前で抗がん薬治療を新たに提案されたが

回答者●上野貴史
板橋中央総合病院乳腺外科医長
発行:2023年6月
更新:2023年6月

  

2021年11月、右乳房全摘手術と腋窩リンパ節切除の手術を受けました。病理検査の結果、腫瘍は2㎝、リンパ節17個のうち2個に転移があり、ホルモン受容体は陽性、HER2は陰性、組織グレードは1、Ki67は20%、オンコタイプDXの再発スコアは8点でした。

その結果、再発リスクは低いため術後化学療法は必要ないとのことで、ホルモン療法を開始しました。しかし、今年2月に主治医から閉経前なので抗がん薬治療をと新たに提案されました。できれば抗がん薬治療は行いたくないのですが、抗がん薬治療を行ったほうがいいのでしょうか。

(48歳 女性 神奈川県)

再発リスクを抑えるためには化学療法を加えたほうがいい

板橋中央総合病院
乳腺外科医長の上野貴史さん

ご相談者はルミナルタイプで、リンパ節転移が2個あるが、オンコタイプDXの再発スコアが低値とのことですが、再発スコアが低値(25以下)でリンパ節転移が1~3個の場合の術後補助療法はホルモン療法だけでいいか、化学療法も併用したほうがいいのかを比較する大規模な「RxPONDER試験」が行われ、2021年12月に論文が発表されました。

その報告によると、閉経後の場合は、化学療法を併用しても再発リスクは変わらなかったのですが、閉経前では、化学療法を加えたほうが再発リスクが有意に減るという結果でした。

リスクスコアが10点以下の場合でも同じ結果でした。ですから、閉経前のご相談者の場合、少しでも再発リスクを減らしたいのであれば、オンコタイプDXのスコアが低くても、主治医の提案のように化学療法を行うことをお勧めします。

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