トリプルネガティブ。再発した場合の治療法は?

回答者:上野 貴史
板橋中央総合病院 外科医師
発行:2012年7月
更新:2014年1月

  

トリプルネガティブの乳がんの3期です。現在、術後化学療法としてアドリアシンとエンドキサンとタキソテールによる術後補助化学療法を受けています。しかし、この治療が終わった後、再発した場合、どのような治療選択が残っているのでしょうか?

(福岡県 女性 32歳)

A ハラヴェン、ナベルビンなどの抗がん剤治療

トリプルネガティブ乳がんとは、乳がんを引き起こし、増殖に関係する主要な3つの因子である、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2が、すべて陰性であるタイプの乳がんのことをいいます。

このタイプの乳がんの治療の薬物療法は、ホルモン剤やHER2陽性に有効とされるハーセプチンなどの分子標的薬が効かないため、抗がん剤での治療が中心となります。

まず、今回のご相談者のような場合、再発した時期によって治療法は変わってきます。術後の補助化学療法が終わってから、1年以上の時間が経過しているのであれば、現在行われている、アドリアシンとエンドキサンとタキソテールを組み合わせた治療を、もう1度行える場合もあります。1年経っていない場合の再発や、前記の抗がん剤治療で効果が期待できない場合は、他の抗がん剤での治療が行われます。具体的にはハラヴェン、ナベルビン、ゼローダ、ジェムザールなどです。おなじタキサン系ですが、アブラキサン、タキソールをトライしてみてもよいでしょう。

最近では、トリプルネガティブの乳がんに対しては、DNA合成阻害剤が効きやすいかもしれないということで、パラプラチンなどのプラチナ系製剤の効果が海外で試験されています。また、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP阻害剤)という新しい薬剤もDNA修復機能を阻害することから、トリプルネガティブ乳がんに有効な薬剤として臨床試験中です。臨床試験の結果、有効性が証明されれば将来使用可能となると思われます。

アドリアシン=一般名ドキソルビシン エンドキサン=一般名シクロホスファミド タキソテール=一般名ドセタキセル ハーセプチン=一般名トラスツズマブ ハラヴェン=一般名エリブリン ナベルビン=一般名ビノレルビン ゼローダ=一般名カペシタビン ジェムザール=一般名ゲムシタビン塩酸塩 アブラキサン=一般名パクリタキセル(アルブミン懸濁型) タキソール=一般名パクリタキセル パラプラチン=一般名カルボプラチン

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