乳がん術後13年目に再発。HER2陽性の治療法は?

回答者・上野貴史
板橋中央総合病院外科医師
発行:2016年7月
更新:2016年6月

  

13年前、左乳房の乳がん温存手術を受け、術後「がんの顔つきが悪い」ということで、左乳房への放射線照射、EC療法、ホルモン療法を受けました。当時、私がかかっていた施設では、まだHER2の検査を行っていませんでした。その後は問題なく過ごしていたのですが、今年(2016年)に入り、腰の痛みで受診したところ、骨転移が判明。13年前の組織を検査してHER2陽性だったことから、タキソテール+ハーセプチン+パージェタを使った化学療法を受けることになりました。この治療法で効果がありますか。もし、効果がなかった場合はどのような治療になるのでしょうか。

(59歳 女性 神奈川県)

ハーセプチン+抗がん薬、カドサイラなどを使う

板橋中央総合病院外科医師の
上野貴史さん

HER2は乳がんの予後因子であり、分子標的薬ハーセプチンの特異的なターゲットでもあります。

乳がんでは通常HER2、ホルモン受容体、がん細胞の増殖因子(Ki-67値)という3つの要素によってサブタイプを分類します。米国臨床腫瘍学会(ASCO)ガイドラインでの進行再発乳がんのHER2陽性タイプの第1選択は、タキソテール+ハーセプチン+パージェタの3剤併用療法ですから、ご相談者の治療法は標準治療と言えます。

効果があるうちはこの治療法を続け、なくなってきたら別の治療法に切り替えます。第2選択薬はカドサイラです。第3選択薬はハーセプチンにナベルビンやハラヴェンなど別の抗がん薬を組み合わせた併用療法か、タイケルブ+ゼローダとなります。カドサイラはハーセプチンと抗がん薬の作用を併せ持つ薬で、ハーセプチン+抗がん薬療法に比べると、一般的に副作用が軽いという特徴があります。

タキソテール=一般名ドセタキセル ハーセプチン=一般名トラスツズマブ パージェタ=一般名ペルツズマブ
カドサイラ=一般名トラスツズマブ・エムタンシン注 ナベルビン=一般名ビノレルビン ハラヴェン=一般名エリブリン タイケルブ=一般名ラパチニブ ゼローダ=一般名カペシタビン

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