ホルモン療法の副作用がつらいが行う意味があるでしょうか?
2022年10月に右乳がんと診断され、乳房温存手術を受けました。がんの大きさは1㎝でリンパ節転移はありませんでした。ホルモン受容体陽性で、術後に放射線治療を受けました。ホルモン療法としてアナストロゾールの内服を開始しましたが、手足や顔のむくみやひざの痛みが出たため、35日で中止しました。次にタモキシフェンに変更しましたが、5日目に手足のしびれが出たため、これも中止しました。次にトレミフェンを処方されましたが、副作用が怖いので服用を迷っています。副作用がこんなにつらいのにホルモン療法を行う意味があるのでしょうか。
(72歳 女性 和歌山県)
A 副作用がつらいなら止めるという選択肢も
板橋中央総合病院
乳腺外科医長の上野貴史さん
乳腺外科医長の上野貴史さん
ホルモン療法を行なえば、再発リスクが低くなるのは間違いありません。ご相談者の場合、オンコタイプの再発スコアやKi67値、異型度などの情報がありませんが、腫瘍が1㎝でリンパ節転移陰性なら、再発リスクは通常はあまり高くないと思われます(約10〜20%)。
ですから副作用がつらいようなら止めるという選択肢もあると思います。通常ホルモン薬内服の副作用は軽度のことが多く、長期内服後にでることが多いのですが、ご相談者には早期に強く出たようです。
ホルモン薬には、もともとの再発リスクが約2/3になる程度の効果があります。10〜20%の再発リスクが7〜14%になる効果と、副作用のつらさを天秤にかけてどちらを選択するのかはご自分の判断で決めることです。なお、処方されているトレミフェン(一般名トレミフェンクエン酸塩)を服用されてから判断されてもいいように思います。