CT検査被曝の影響は
大腸がんの手術後、現在3~4カ月に1回、CT(コンピュータ断層撮影)による検査をしています。通院している病院は古い施設で、CTなどの検査機器も古いようです。こういった検査機器では、最新のものとそうでないものではどのように差があるのでしょうか。また、私のように3~4カ月に1回のペースでCT撮影することは被曝の問題など、体への影響はないのでしょうか。
(新潟県 男性 51歳)
A 検査で得られる情報が優先されるときは行う
まず、CTなどの検査機器の新しさによっては、画像の鮮明さ、また被曝量において多少の差はあります。
ですが、いい検査機器であっても、きちんと画像を診断できなければ意味がありません。たとえ少し古い機器であってもしっかりと読影できる放射線診断医によって、検査が行われることが重要です。
放射線科には、放射線診断と放射線治療を専門医にする医師がいます。CT、MRI、超音波検査など画像の診断を行っているのが放射線診断医です。放射線診断医は、IVR(血管内治療)を行うこともあります。 その数は全国で6千人弱ほどで、施設によっては、放射線診断医がいない場合もあります。
CT画像の診断ができる外科医もいますが、専門の領域はよくみることができても、専門以外の領域になるとそうでもないことがあります。それに対して放射線診断医は、体の上から下まで診断できる能力を持っています。
CT撮影による被曝については、大腸癌治療ガイドラインにおいて、胸部・腹部のCT撮影検査を術後3年までは半年ごと、それ以後は1年ごとに行うことが、一般的に勧められています。 放射線を用いた検査によって得られる情報、たとえば転移や再発の発見がみつかる可能性がある場合は、検査による被曝は正当化されます。しかしながらできるだけ被曝量は少なくしなければなりません。
ご相談者の場合、3~4カ月ごとにCT検査を行われているということで、ガイドラインの推奨よりも検査の回数が多いようですね。それにはこまめな経過の観察が必要とされるような理由があるのかもしれませんので、主治医に詳しく聞いてみてください。