夜になると痛みを訴える父。痛みを緩和する方法は
78歳の父は、直腸がんの手術後、骨転移がわかり、痛みを取り除くため定期的に医療用麻薬(*オキシコンチン)を使っています。昼間はほとんど痛みを訴えないのですが、夜になると痛がったり、日によっても「今日はなんだか痛みが強い」というときがあります。
医療用麻薬の量を増やすと眠気が強くなったりして、かえって生活がしにくくなるのではないかと心配です。痛みの緩和には、量を増やすしかないのでしょうか。
(55歳 女性 京都府)
A オキシコンチンの量はそのままで、オキノームを使用してみては
がん研有明病院
がん疼痛治療科部長の服部政治さん
がん疼痛治療科部長の服部政治さん
痛みの原因が直腸がんによるものか、骨転移によるものかがわかりませんが、「夜になると痛がる」というのはよくあるケースです。この場合、オキシコンチンはこれまで通りにして、夜は突出痛に効果のある*オキノームを使うとよいと思います。オキノームは半減期が4~6時間ですから、入眠するまで効果が持続するはずです。
仮にオキシコンチンの量を増やしたとしても、ある程度日数が経つと眠気が消えていくことがほとんどです。もし眠気が消えないのであれば、やはり量が多すぎる、患者さんの日内変動(脳にある体内時計によってコントロールされた体温、心拍数、覚醒と睡眠のリズムなどが1日の中で変動すること)に薬が合っていないなどの可能性があります。その場合は元の量に戻したほうがよいでしょう。
また、痛みが骨転移によるものであれば、必ずしもオキノームではなく、*ロキソニン、*ボルタレンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も有効な場合があるので、試されるとよいかと思います。
*オキシコンチン・オキノーム=一般名オキシコドン *ロキソニン=一般名ロキソプロフェンナトリウム水和物
*ボルタレン=一般名ジクロフェナクナトリウム