門脈塞栓術+手術。根治は望めるか?

回答者・大矢雅敏
獨協医科大学越谷病院外科教授
発行:2016年4月
更新:2016年7月

  

昨年(2015年)結腸がんが判明し、手術をしましたが、その後肝臓に転移が見つかりました。主治医から「転移巣が大きいので、まず門脈塞栓術を行ってから、2回目の手術で切除する」と言われています。この方法で根治は望めるのでしょうか。

(66歳 男性 山形県)

転移巣をすべて切除できれば 根治の可能性も

獨協医科大学越谷病院外科教授の
大矢雅敏さん

大腸がんが肝転移した場合の第1選択は手術による肝切除です。肝切除ができるかどうかは、残される肝臓の機能的な容積(容量)によって判断されます。転移巣が大きく、切除すると残された肝臓の機能が不十分になってしまう場合には、化学療法で腫瘍を小さくしてから手術に持ち込んだり、門脈塞栓術を行った後、肝切除をする場合などがあります。

門脈塞栓術では、転移巣のある肝臓の門脈を塞いで血液が流れないようにし、残っている肝臓への血液量を増やして、積極的に肥大させます。

その結果、残肝量が増え、切除手術をすることが安全になります。転移巣をすべて切除することができれば、根治の可能性はあります。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート11月 掲載記事更新!