7.5cmの進行がん。腹腔鏡手術も可能か?

回答者:大矢 雅敏
獨協医科大学越谷病院 外科主任教授
発行:2013年1月
更新:2014年1月

  

下行結腸に7.5cmの進行大腸がんが見つかりました。ほかの臓器への浸潤はないといわれています。開腹手術での治療になるそうですが、体の負担も少ない腹腔鏡手術があると聞きます。私の場合も可能なのでしょうか。

(山形県 男性 60歳)

A 開腹手術がいい

 ご相談の方の場合は、開腹手術をお勧めします。下行結腸の進行大腸がんに対して、腹腔鏡手術でも開腹手術と同等の治療効果があるかどうかについては、いま国内では臨床研究が行われておりますが、結果が出るまでにもう少し時間がかかります。つまり現状では、腹腔鏡でも治療効果が劣らないというデータは示されていないからです。

進行大腸がんの場合、腹腔鏡手術ができるのは、最大でも6㎝ぐらいまでのがんの場合です。というのは、腹腔鏡手術の場合でも、切除したがんを取りだすために体に開ける切開部は必要で、この切開部は、がんが大きいほど大きくなります。7.5cmのがんの場合では、最低でも6cmほどの切開部を設けなくてはなりません。この切開部が5㎝以上となると、開腹手術より傷が小さくて済むという腹腔鏡手術のメリットがそれほど得られなくなってしまうからです。

ただ、技術的には、腹腔鏡での手術ができないわけではありませんし、腹腔鏡手術を行うのが普通であると考える施設もあるかとは思います。ただし、これは標準的な治療ではありません。とくに、下行結腸は、周囲に脾臓や膵臓など、大切な臓器が集まっており、手術が難しい部位です。大きい病変の場合には、開腹手術のほうが周囲の臓器との関係がわかりやすく、安全で確実と考えます。

浸潤=がん細胞が周辺の細胞にしみこむように広がっていくこと

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