大腸がんの肝転移。高齢で手術は大丈夫か
3年前に大腸がんの手術を受けた79歳の父ですが、先日の検査で肝臓の左葉に1cmの転移が見つかりました。手術で取れると言われているので、私としては手術で完治を目指してほしいのですが、体への負担が心配です。父も少し躊躇しています。術後の回復はどのように進むのでしょうか。高齢であるために手術の後遺症が強く出ないでしょうか。
(新潟県 女性 49歳)
A 手術での切除を
大腸がんの術後3年経ってから見つかった転移ですから、これは新たにできた転移(異時性肝転移)と思われます。このような転移は、手術で完治する可能性もあるので、手術で取るのが1番いい選択です。全身麻酔が可能な体力があれば、手術を受けられます。この方の場合は3年前に大腸がんの手術を受けているので、その後大きな合併症などがなければ手術が可能と考えられます。
術後経過が順調ならば10日ほどで退院できますし、肝臓は再生する能力を備えた臓器ですので、術後の肝臓に後遺症は全く心配ありません。
この方の場合は、1cmの転移が1つで、転移した場所も左葉ということですから、腹腔鏡手術で対応できる施設もあります。年齢的なことから、開腹手術では体の負担が心配ということであれば、腹腔鏡手術が可能かどうか、主治医に相談してみてはいかがでしょうか。
術後は肝臓に再び転移が生じることがあるので注意深い経過観察が大切ですが、万一2度目の転移があっても、再び手術で切除することも十分可能です。