退院後、UFTを服用しているがいつまで続けたらよいか

回答者:吉田 和彦
東京慈恵会医科大学青戸病院 副院長
発行:2009年8月
更新:2013年12月

  

1年半前に、突然、激痛に襲われて、嘔吐もしました。病院で大腸内視鏡検査をした結果、上行結腸に腫瘍が見つかりました。その3カ月後に、手術をしました。リンパ節の転移があったため、リンパ節も取り除きました。ステージ(病期)は、3と言われました。病気になる前はお酒を飲むことが多く、ヘビースモーカーでした。術後は、お酒もたばこもきっぱりとやめました。退院後は、会社勤務の都合もあって、経口抗がん剤のUFT(一般名テガフール・ウラシル)を服用しています。決められた時間に、きちんと服用しています。抗がん剤の服用は、いつまで続けたらよいのでしょうか。ほかの抗がん剤に切り換える必要はあるのでしょうか。切り換えるとしたら、どんな抗がん剤を、どのタイミングで受けたらよいのでしょうか。

(茨城県 男性 42歳)

A 1年間服用したら、再発を抑える目的の補助化学療法は終了

ステージ3の結腸がんの場合、再発を抑え、結果として生存率を高める目的で、補助化学療法の適応となります。5-FUと5-FUの増強剤のロイコボリン(一般名ホリナート)を6カ月間注射する方法が一般的です。5-FUを経口剤に改良したUFTとUFTの増強剤のユーゼル(一般名ホリナートカルシウム)との併用療法は、5-FUとロイコボリンと同等の再発予防効果があると言われています。相談者は、おそらく、この併用療法をされているのかと思います。一般的には、この併用療法は、1年間行います。1年間服用したら、補助化学療法は終了です。その後は、定期的に観察をするだけです。ですから、現在、服用中の5-FUとユーゼルの併用療法は、基本的には切り換える必要はありません。

ちなみに、欧米では、ステージ3の結腸がんの補助化学療法として、5-FUとロイコボリンにエルプラット(一般名オキサリプラチン)の3剤を併用したFOLFOX療法が導入されつつあります。

しかし、日本においては、FOLFOX療法は、転移性大腸がんに限り、保険適用となっています。

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