2期の結腸がん。手術後に抗がん剤を服用すべきか
2008年の4月に、2期のS状結腸がんと診断され、手術を受けました。手術後に医師から「リンパ節転移はありませんでしたが、手術の際におなかをかき回しているので、がんが飛び散った可能性もあります。念のために、錠剤の抗がん剤を飲みますか」と言われました。手術でがん細胞が飛び散ることもあるのでしょうか。「手術は成功した」と言われましたが、本当に成功したのでしょうか。現在のところまだ抗がん剤を飲んではいませんが、服用したほうがよいでしょうか。
(新潟県 男性 67歳)
A 再発リスクの高い場合は、UFT+ユーゼルを
リンパ節転移のある3期の結腸がんに対しては、再発を予防する目的で手術後に抗がん剤治療を行うと、生存率が改善するというエビデンス(科学的な根拠)があります。
しかし、リンパ節転移のない2期の結腸がんに対しては、手術後に抗がん剤治療を行うことで生存率が改善するかどうかは議論が分かれています。ただし、同じ2期の結腸がんでも、再発リスクが高いと考えられる場合は、手術後に補助化学療法を行うことが一般的には勧められています。
再発リスクの高い2期結腸がんには、手術中に腸管が穿孔(孔があくこと)してがん細胞が腹腔内に漏れたような場合、周囲の臓器にがんが浸潤している場合、さらに、低分化組織像などがあります。これらの場合には、2期であっても、手術後に抗がん剤治療を行うことが勧められます。
「がんが手術中に飛び散った可能性もある」旨を医師から言われたようですが、これは、手術の際に腸管が損傷されるなどして、がん細胞が腹腔内に漏れた可能性を表しているかもしれません。
再発リスクが高いと判断された場合には、抗がん剤のUFT(一般名テガフール・ウラシル)とユーゼル(一般名ホリナートカルシウム)を1年ほど服用するのがよいと思います。
再発リスクの高い2期結腸がんであっても、これらの抗がん剤を服用することで、生存率が高まることが期待できます。