検査だけでリンパ節転移がわかる?切除が必要?
総合病院で大腸内視鏡検査とCTスキャンを行った結果、結腸がんでリンパ節転移もあるといわれました。手術で腫瘍とリンパ節を切除すると説明を受けました、検査だけでリンパ節転移があるとわかるのでしょうか。また、リンパ節を取った場合、どんな障害が現れますか。リンパ節は、絶対に取り除かなければいけないのでしょうか。
(鳥取県 男性 61歳)
A 病理検査が必要。切除してもほとんど障害はない
検査だけでリンパ節転移があるかどうかは完全にはわかりません。一般的には、CTやMRI、超音波検査で、リンパ節が腫れていて、その大きさが1センチ以上ならリンパ節転移の可能性があります。しかし、腫れた場所の周囲に炎症があると、それに反応してリンパ節が1センチ以上の大きさになることもあります。
また、CT検査などで、リンパ節の腫れが1センチ以下だから、がんの転移ではないとも言い切れません。つまり、リンパ節を切除して、病理検査をしないかぎり、リンパ節転移なのかどうかわからないのです。
ただし、検査の精度はかなり向上しています。複数のリンパ節が大腸がんと関係している領域に存在している場合には、大腸がんのリンパ節転移の可能性が高まります。
2つ目のご質問ですが、リンパ節を切除してもほとんど障害はありません。切除しないと今後、リンパ節の腫れが大きくなって、リンパ節転移の再発や再燃で、さまざまな副作用を起こします。たとえば、腸を詰まらせて腸閉塞や、尿管を巻き込んで尿路閉塞などの原因となります。
ですから、やはり切除したほうがよいと思います。切除すれば、根治できる可能性があるからです。転移が疑われるリンパ節を残しておく必要性や、メリットは1つもありません。付け加えると、リンパ節転移があれば、病期はステージ3です。手術後は化学療法の適応となります。
リンパ節転移があれば、遠隔臓器へ転移している可能性が非常に高いといえます。このことからも、リンパ節を切除し、転移の有無を確認して、術後に適切な治療を受けたほうがよいかと思います。
なお、リンパ節切除は、手術的にはそれほど難しくありません。安全に行うことができます。リンパ節切除そのものについては、あまり深刻に考える必要はないと思います。