再発予防に術後補助化学療法は受けたほうがよいか?

回答者:上野 文昭
大船中央病院 特別顧問
発行:2005年4月
更新:2014年1月

  

63歳になる母が大腸がんの2期と診断され、腸を切ってつなぐ手術を行いました。病理検査の結果、リンパの一部に転移(転移の程度1~4群のうち最も程度の軽い1群)が確認されたとのことです。今後、術後補助化学療法で5-FU(一般名フルオロウラシル)の投与を受けながら定期検診を受けるか、何もせずに定期検診を受けるか選択を迫られています。担当医の話では、受けたほうが再発は少しだけ抑えられるが、あとは経済的なことなども考えて、自分で選択してほしいとのことです。リスクが少しでも低くなるなら受けたいと思いますが、悩んでいます。どちらを選択したらよいでしょうか。

(島根県 女性 42歳)

A 進行度により再発リスクは変わります

病理検査で第1群のリンパ節転移が認められたとのことですから3期ではないかと思います。もし、3期であれば5-FUを中心とした術後補助化学療法が推奨されます。再発リスクが30パーセント減少し、大腸がんで死ぬ可能性を20~30パーセント減らせると期待されています。

経済面は保険適用の治療ですから、あまり問題にはならないと思います。むしろ、副作用について十分な説明を受けて、患者さん自身の価値観で判断してください。医学的には推奨される治療です。また、2期だとすれば、術後補助化学療法を実施した場合の効果はわずかです。医師の側からはっきりと推奨できる治療とは言えません。患者さんの希望が最優先されます。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート5月 掲載記事更新!