S状結腸がん術後の化学療法は必要か

回答者:大矢 雅敏
獨協医科大学越谷病院 外科主任教授
発行:2005年10月
更新:2014年1月

  

2005年7月にS状結腸がんの手術を受けました。検査の結果、リンパ節が想像したよりも腫れていたため、化学療法が必要になるかも知れないといわれました。化学療法は必要なのでしょうか。また、必要だとすれば、どんな化学療法を受けたらよいのでしょうか。

(静岡県 女性 59歳)

A リンパ節転移があれば推奨。なければ推奨されない

リンパ節が「腫れている」とのことですが、この表現はあいまいです。顕微鏡による病理組織検査で、リンパ節に転移があるかどうかをきちんと確認することが大切です。リンパ節が大きく腫れていても、炎症に過ぎないこともあります。病理組織検査でリンパ節に転移がない場合、術後の補助化学療法は標準的治療ではありません。手術のみでも80パーセントの術後5年生存率が期待され、補助化学療法を行っても5年生存率はほとんど変わりません。ですから、補助化学療法を受けたほうがよいとはいえません。

逆に、リンパ節転移がある場合には補助化学療法を受けたほうがよいと思います。受けたほうが、5年生存率が有意に高いからです。補助化学療法では5-FU(一般名フルオロウラシル)とロイコボリン(一般名ホリナートカルシウム)の併用、またはUFT(一般名テガフール・ウラシル)とロイコボリンの併用のどちらかが一般的です。

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