直腸がんが肺転移し、その後、再発。今後の治療法は?

回答者:吉田 和彦
東京慈恵会医科大学青戸病院 副院長
発行:2009年1月
更新:2014年1月

  

2006年3月に直腸がんの手術を受けました。手術では、子宮を全摘出し、リンパ節郭清も行い、人工肛門になりました。手術後は、抗がん剤のUFT(一般名テガフール・ウラシル)とロイコボリンを服用しました。2007年8月に肺への転移が確認されたため、再び手術を受けました。その後、通院しながら点滴の抗がん剤治療(FOLFOX療法)を受けています。体調も腫瘍マーカーの数値も、当初は良好でしたが、しばらくすると、腫瘍マーカーの数値が上がり、2008年の10月上旬に骨盤の奥のほうにがんが再発しました。今後、どのような治療法がありますか。また、治る見込みはありますか。

(石川県 女性 47歳)

A 局所再発なら、手術で治る可能性もある

まずPET-CTを撮って、再発が本当に骨盤内だけなのかを確認するとよいと思います。

PET-CT検査の結果、再発が骨盤内だけであることが確認できたら、肺に転移したがんはコントロールされている可能性があります。腫瘍マーカーが上がっている原因は、直腸の局所再発の可能性が高まります。その場合には、骨盤内全摘出の手術を行うことが選択肢の1つとなり、手術が成功すれば、がんが再び完治する可能性も生じます。

PET-CT検査の結果、もしがんが肺や肝臓などの骨盤内以外にも確認された場合には、骨盤内の再発に対しては放射線を照射し、なおかつ全身治療として抗がん剤治療を行うことが選択肢として挙げられます。FOLFOX療法はすでに行っているようですから、その場合の抗がん剤治療は、FOLFIRI療法(5-FUの持続注入+ロイコボリン+カンプトまたはトポテシンの3剤併用療法)やFOLFIRI療法+アバスチンの4剤併用療法などが勧められます。

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