手術後に腹膜転移。抗がん剤治療の副作用が心配
2004年の10月に、67歳の父がS状結腸がんと診断され、切除手術を受けました。その後、抗がん剤の5-FUを受けていましたが、最近の検査で、腹膜転移の可能性が高いと言われました。今後、5-FU、ロイコボリン、エロキサチンの3剤による抗がん剤治療(FOLFOX)を勧められています。ただ、エロキサチンは重い副作用が出ることがあると聞き、不安です。エロキサチンではなく、カンプトなどを使う方法もあるそうですが、副作用が小さいのはどれでしょうか。治療効果を考えるとエロキサチンを併用するFOLFOXが最もよいのでしょうか。
(大阪府 男性 38歳)
A FOLFIRIとIFL、ゼローダ単剤療法などが選択肢
「カンプトなどを使う方法」とは、FOLFIRIとIFL(Q:手術後に9個の肝転移。手術は難しいと言われたが…)のことを指していると思います。
患者さんが強い治療に耐えられるようであれば、FOLFOX、FOLFIRI、IFLのいずれかが第1選択になります。これら3療法のうち、どれが最も効果があるかははっきりしていません。また、副作用の程度に関しても、受けてやってみなければわからないというのが現状です。
強い治療には耐えられないようでしたら、ゼローダの単剤療法や5-FUの急速注入+ロイコボリン+アバスチンの3剤併用療法などがあります。
たとえば、FOLFOXをまず行い、もし思うような効果が出ない場合はFOLFIRI、それでも功を奏さない場合はIFLに移行するという方法があります。
あるいは、FOLFOXを行い、効果が出なかった場合は第2選択であるカンプトの単剤療法を行う方法もあります。これはカンプト単剤での使用ですから、FOLFOXなどの多剤併用療法に比べると、副作用は一般的には小さいはずです。
また、FOLFOXやFOLFIRI、IFLを行ったら、強い副作用が出たという場合には、ゼローダ単剤などの比較的弱い治療に移行するのも1つの方法です。ご相談者は副作用のことを心配されていますから、この選択肢も十分あると思います。
もちろん最初から、ゼローダの単剤療法か5-FUの急速注入+ロイコボリン+アバスチンの3剤併用療法を選択される方法もあります。
選択肢はいろいろあります。が、保険収載の有無(自費診療の可否)、効果の程度と副作用の度合いを見極めながら、主治医と相談しつつ選択してください。