術後の腸閉塞がつらい。気を付けることは?

回答者:大矢 雅敏
獨協医科大学越谷病院 第1外科主任教授
発行:2011年10月
更新:2013年11月

  

半年前に2期の大腸がんの切除手術をしました。その後、度々腸閉塞が起こっていて、その度に入院して治療しています。今後、腸閉塞を起こさないようにするためには、日常生活でどんなことに気を付けたらよいのでしょうか。

(富山県 男性 59歳)

A 食事の仕方を工夫。何度もくり返すようなら手術も検討

まず、腸閉塞は腸と腸の癒着によって腸自体が折れ曲がり、そこに物が通ろうとすると折れ曲がった手前の部分が膨らんで詰まってしまうことで起こります。

危険なのは絞扼性イレウスといって、腸がねじれる場合です。腸に血行障害が起きるので、この場合は緊急手術が必要です。しかし、多くの場合は腸が折れ曲がって起こる腸閉塞がほとんどです。この場合、減圧治療と呼ばれる治療が行われます。

腸にたまった液体などをイレウス管と呼ばれるチューブを通して体外に出すことで改善する方法です。

腸閉塞は、ご相談者のように1度起こすと、再び起こることが結構あります。何度も腸閉塞を起こし、毎回1週間以上入院するような場合は手術も検討されます。

手術では、癒着している部分を改善し、通りをよくします。腸の屈曲だけでなく、癒着を何度もくり返している場合は、癒着の部分が硬くなっていて、自然に解消されない場合もあるので、そのような場合も手術を行います。

腸閉塞をなるべく起こさないためには、いっぺんに食事をしないこと、消化によいものを食べること、手術後まもなくの間は繊維が多いものは控えることが奨められます。

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