下咽頭がんで放射線治療。抜歯はできないのか?

回答者・上野尚雄
国立がん研究センター中央病院歯科医長
発行:2016年2月
更新:2016年5月

  

2年ほど前に下咽頭がんの治療で、抗がん薬治療と放射線治療を受けて、今のところ定期的に病院で診てもらっている状況です。最近、治療前から少しぐらつきがあった左下奥歯が痛み始め、かかりつけの歯科医院を受診したところ、歯科医から「放射線が当たっている可能性があるため、抜歯はできない」と言われました。放射線治療を行ったのは2年前ですが、まだ影響があるのでしょうか。

(64歳 男性 群馬県)

晩期障害のリスクは半永久的。基本的に抜歯は避ける

国立がん研究センター中央病院
歯科医長の上野尚雄さん

頭頸部の放射線治療が終わった後の口腔の晩期障害のリスクは、半永久的であると言われています。従って、「放射線治療が終わって何年経ったから、もう晩期障害のリスクはないです」とは言い切れません。

放射線治療による晩期障害の1つとして「放射線性顎骨壊死」が知られています。放射線が当たった部位の抜歯が、この副作用の発症の契機となることが多いため、放射線が当たったところは、基本的に抜歯を避ける必要があります。

下咽頭がんの放射線治療では、奥歯の一部も放射線が当たっていることが多いので、今回のご相談も原則として抜歯以外の歯科治療で対応する必要があります。

どうしても抜歯が必要な場合には、大学病院などの口腔外科で相談する必要があります。がん治療医に設備が整っている口腔外科を紹介してもらうことをお勧めします。

晩期障害=放射線治療後、しばらくしてから現れる副作用

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