中咽頭がんステージⅢ(III)。アービタックスは有効か

回答者・岸本誠司
亀田総合病院頭頸部外科部長
発行:2016年4月
更新:2016年7月

  

中咽頭がんのステージⅢ(III)で、腫瘍の大きさは約3cm、頸部のリンパ節転移が1つです。医師には、「手術で腫瘍と頸部リンパ節を取ることも可能」と言われましたが、私は放射線治療と化学療法の併用を受けたいと考えています。化学療法は、シスプラチン単独よりも5-FUを加えた併用療法のほうが、治療効果が高いのでしょうか。またアービタックスを使うことはできますか。

(70歳 男性 埼玉県)

アービタックスは副作用も考慮して慎重に

亀田総合病院頭頸部外科部長の
岸本誠司さん

中咽頭がんを始めとする頭頸部がんのうち、ある部位及びステージのがんに対しては、放射線治療と同時に抗がん薬を併用することで(化学放射線同時併用療法)、手術と同等の治療効果があげられることが多くの臨床試験でわかってきました。

これまでの臨床試験では、シスプラチン単独に放射線を組み合わせるのが一番良い成績をあげています。ほかの薬剤を増やしたから治療成績が良くなるというわけではありません。逆に副作用が強くなってそれが障害となり、途中で治療を止めざるを得ない人も出ています。

分子標的薬のアービタックスは2012年、頭頸部がんにも適用が拡大されましたが、放射線と併用する薬剤として、シスプラチンとの比較試験の結果がまだ出ていないので、どちらが有効かはっきり決め難い状況です。

シスプラチン、アービタックスには、それぞれ様々な副作用があります。また両者とも放射線治療と同時に併用することで強い口内炎やのどの粘膜炎が生じ、一時的に食事ができないほどになることもあります。このように化学放射線同時併用療法は強い副作用を伴うので、治療中及び治療後も注意深い全身のケアが重要です。

一般的にはシスプラチンが用いられることが多いのですが、副作用を考慮して高齢者や腎障害のある方にはアービタックスが用いられます。いずれにしても治療方針については主治医と十分にご相談ください。

シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ 5-FU=一般名フルオロウラシル アービタックス=一般名セツキシマブ シスプラチンの主な副作用=骨髄抑制、吐き気、腎障害、難聴など アービタックスの主な副作用=皮膚障害、間質性肺炎、稀にアナフィラキシーショックなど

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