紫外線と皮膚がんの関係は?紫外線対策は?
「紫外線を浴びすぎるとよくない。皮膚がんになる」と聞いたことがあります。また、最近はテレビの天気予報で「明日の紫外線度数」などの紫外線に関する情報を見聞きします。紫外線はそんなに体によくないのでしょうか。紫外線をたくさん浴びることで、皮膚がんになる確率は高くなりますか。私は色が白いのですが、色白は皮膚がんになりやすい傾向があるのでしょうか。何か対策をとったほうがよいですか。
(東京都 女性 33歳)
A 紫外線対策は講じたほうがよい。サンスクリーン剤の利用も
紫外線と皮膚がんの関係は古くから知られています。
その理由の1つは、日光角化症(皮膚の前がん病変)から生じる有棘細胞がん、基底細胞がん、表在拡大型と悪性黒子型のメラノーマ(悪性黒色腫)など、顔をはじめとした日光がよく当たる箇所にできやすい皮膚がんが数多く存在することです。
スキンタイプ(皮膚の色)で見ると、皮膚がんは白人にとても多く、それに比べて日本人を含む黄色人種には少ないのが現状です。
同じスキンタイプでも、沖縄県と兵庫県の人を比べると、沖縄県の人のほうが日光角化症になる割合がかなり高いという調査結果もあります。沖縄県は紫外線量が多く、また皮膚を露出する機会が多いことを考えると、疫学的には、紫外線と皮膚がんとは何らかの因果関係があることがわかります。
そうして考えると、私たち日本人も、何らかの紫外線対策を講じたほうが望ましいといえます。具体的には、外出する際に、サンスクリーン剤(日焼け止めクリーム)を顔や首、腕などに塗ることをおすすめします。
サンスクリーン剤は、白人に対しては、皮膚がんの予防になるというデータがあります。
日本人に対しては、サンスクリーン剤による皮膚がんの予防効果についてのデータはありませんが、相談者のような色白の方や小児においてはある程度の予防効果が期待できるであろうと類推されています。
帽子をかぶったり、日傘を差したりするのもよいのですが、日光は上から降り注ぐだけでなく、様々な方向から散乱して体に当たります。そのことを考えると、紫外線を防ぐには、サンスクリーン剤を塗ることが最も効果的といえるでしょう。