メラノーマのステージ2。再発した場合の治療法は?

回答者:並川 健二郎
国立がん研究センター中央病院 皮膚科医師
発行:2009年9月
更新:2013年12月

  

左足の裏に、水虫状の小さなジクジクがあり、市販の軟膏を塗ったりしていましたが大きくなったため、皮膚科で診てもらいました。メラノーマ(悪性黒色腫)の疑いがある、と言われました。紹介先の病院の検査の結果、メラノーマと診断されました。1年前に、手術で切除しました。ステージ(病期)2でした。退院後は、すぐに仕事に復帰しました。その後は、経過観察だけで何もしていません。気になるのは再発です。再発予防と再発した場合の効果的な治療法について、アドバイスしてください。

(愛媛県 男性 58歳)

A 手術切除と抗がん剤治療を行う

メラノーマの再発を確実に予防できる治療法や、再発のリスクを減らす治療法はありません。日本では、手術後に再発・転移の予防として、ステージ2であればインターフェロンを切除部位周辺に局所注射をしていますが、その効果について十分な根拠があるわけではありません。相談者のように、手術後は経過観察というのが世界で最もよく行われている方法です。再発のパターンは、3つあります。

(1)手術をしたところに、また出てくる局所再発です。足の裏の手術では植皮をすることが多く、植皮の中やそばに黒いものが出てきます。それが、典型的な局所再発です。黒いといってもただの色素沈着である場合もありますので、担当医に相談してください。

(2)左足の付け根のそけいリンパ節といわれる場所や、手術をした左足から左足の付け根までの皮膚にぐりぐりとしたしこりが出てきます。

(3)いわゆる、内臓組織への遠隔転移です。皮膚、リンパ節、肺、肝臓、脳、骨などへの遠隔転移です。これは皮膚や体表のリンパ節以外はCT(コンピュータ断層撮影装置)、超音波検査などの画像検査を受けないとわかりません。

ご自身で注意していただきたいのは、(1)(2)です。植皮をしたところに黒いものがないか、手術をしたところから左足の付け根までと左足の付け根のリンパ節にぐりぐりしたものがないかどうかを触ってチェックしてください。また、2~3カ月に1回程度のペースで診察をしてもらってください。心配になったら、次の外来診察まで待たないで担当医に相談してください。再発の治療についてですが、(1)(2)は手術で切除します。早期発見、早期切除が大切です。(3)は、抗がん剤治療を行います。ダカルバジン(一般名ダカルバジン)の単独療法やダカルバジンとニドラン(一般名ニムスチン)、ランダ(もしくはブリプラチン、一般名シスプラチン)、ノルバデックス(一般名タモキシフェン)の4剤を併用したDACTam療法などを行います。抗がん剤治療が有効でない場合には、免疫療法の臨床試験を紹介することもあります。一般的に、再発は術後5年以内に起こります。5年経過していれば、90パーセント以上は大丈夫です。逆に、5年経過しても全員が安心とまでは言えません。

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