鼻の下の悪性黒色腫。抗がん剤治療を勧められたが…

回答者:山崎 直也
国立がん研究センター中央病院 皮膚科医長
発行:2005年9月
更新:2013年12月

  

70歳の父が悪性黒色腫(メラノーマ)と診断されました。場所は鼻の下辺りです。その後、首のリンパ節への転移が判明し、手術は難しいとのことで、抗がん剤治療を行っていくと言われました。抗がん剤だけの治療で、どの程度効果が期待できるのでしょうか。また、放射線治療や免疫治療はできませんか。

(埼玉県 男性 44歳)

A 放射線や免疫療法などを組み合わせた集学的治療を

進行期の悪性黒色腫に対して最もよく使われる抗がん剤は、ダカルバジン(一般名ダカルバジン)、ニドラン(一般名ニムスチン)、ブリプラチン(またはランダ、一般名シスプラチン)、ノルバデックス(またはタスオミンなど、一般名タモキシフェン)の4剤で、これらを組み合わせて投与します。

しかし、悪性黒色腫に対する抗がん剤単独での奏効率は30パーセント前後で、リンパ節転移のある悪性黒色腫を抗がん剤だけで根治させるのは非常に難しいのが現状です。

そのためこのような場合は、いくつかの治療を組み合わせる「集学的治療」が行われます。

ご相談者の場合、首のリンパ節までがん細胞が転移しているとすると、がんは他にもどこかに隠れている可能性があります。そうなると、治療法の中心は全身治療に効果を発揮する抗がん剤になります。抗がん剤の種類は、先に挙げた4剤です。

組み合わせる治療法には、免疫療法や放射線などがあります。これらをいくつか組み合わせて治療します。たとえば、「抗がん剤+免疫療法」「抗がん剤+放射線」「抗がん剤+免疫療法+放射線」などの方法があります。

手術は難しいということですが、右に挙げた治療を行って、がんが縮小した場合は、手術ができるようになることもあります。

悪性黒色腫は、抗がん剤が効きにくい反面、以前から免疫療法の効きやすいがんと言われていますが、現在、悪性黒色腫に対して承認されている免疫療法の薬はインターフェロンベータだけです。ただし、新しい免疫療法の研究開発を進めている医療機関もあるので、いくつかの治療法を試してみて効果がない場合は、臨床試験に参加することを考えてもよいと思います。

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